小田原で一人暮らしをしている母。毎日毎日お客さんが来て、来ない日はないという。野菜などは買うことは少なく、もらいもんで生活している。(笑)父が行きていたときから、昔から、わが家はお客さんが頻繁に来る家だったなあ。
さてこの本。 自宅一部を博物館やギャラリー、劇場に。廃工場や元店舗を改装しシェア生活。家を開いて人と繋がる「住み開き」の事例集。そのエッセンスを紹介しよう。
・みな様々な理由で開いているが、共通点は、 無理せず自分のできる範囲で自分の好きなことをきっかけにちょっ とだけ開いていること。 これは公共施設や商売のためのお店ではなかなかできないことだ。 とにかく「私」があらゆる条件の核になる。 しかしただのエゴではない。 ちょっとだけ開くことで小さなコミュニティが生まれ、 自分の仕事や趣味の活動が他者へと自然にかつ確実に共有されてい くのだ。そこでは無論、金の縁ではなく、血縁でもなく、 もはや地域でも会社の縁でもない、それらが有機的に絡み合う「 第三の縁」が結ばれるのだ。
・とにかく、 決して難しく考えないでほしいできるやり方でやればいい。 改装する必要もないし、毎日開く必要もない。 開く曜日や時間帯も自分のペースで決めればいい。 最初からまったく知らない人を招く必要もない。 まずは友人の友人からといった後に、 徐々にじっくりとコミュニティの輪を広げていくことだってできる 。
・「私」が少しひらくことによる、小さな「公」の場、「 住み開き」は、 自分の日常生活の中で区切られてしまっている様々な役割ー仕事、 学業、家事、趣味ーといったものを再編集し、 人間同士の関係性を限りなくフラットに再構築する。 本書を通して、 少しでも皆さんを新しいアクションへと誘うことができれば、 僕にとってこれにまさる喜びはない。
・(三浦)これまで住むことが閉じ過ぎたんだと思うんですよ。 かつてはまさに床屋でもお寺でも商店街でも、 もっと住んで働いて開いてたわけで。極端に言えば、 住居ってのはセックスして子どもを作る場なんだね(笑)。 そこだけに非常にね……開きづらい(笑)。 昔は人が食べている様子って垣根越しに見えたしさ。 永井荷風を読んでもわかるけど、 ちょっととした路地で若い女性が行水してたりとか。 それがどんどん隠すようになって。 だから現在は人様が家に来るなんていうと、 もう大騒ぎするでしょ(笑)。「こんなダサい部屋魅せられない! 」とか言って(笑)。