「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「赤坂ナイトクラブの光と影「ニューラテンクォーター」物語」(諸岡寛司)

 

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赤坂ナイトクラブの光と影―「ニューラテンクォーター」物語

赤坂ナイトクラブの光と影―「ニューラテンクォーター」物語

 

先日、人生の大先輩と食事した際に話題にでたのがこの店「ニューラテンクォーター」。ホテルニュージャパンの地下にあったこの店は火災のあとも営業したのだ!また力道山が刺されたのもこの店だったと聞き、その歴史を知りたくて読んだのがこの本。

 

戦後日本が繁栄に向かって疾走した時代、東京の夜に君臨したナイトクラブがあった。戦後を彩った人々が繰り広げた夜ごとの宴。表と裏、光と影のすべてを見届けた男が綴る夜の昭和史!」そのエッセンスを紹介しよう。

 

「ニューラテンクォーター」。昭和34年に開店し、赤坂の夜を彩ったナイトクラブでござます。平成元年に閉店するまでそこには、まさしく日本の指導者たちが集い、めくるめくような宴が夜ごと開かれていました。皇族の方々を始め、政財界、芸能界、スポーツ界、各国のVIP、さらには「その筋」まで、どの分野の人であれ、「一流」でないと入れなかった店でございました。「お嫁さんをもらうなら『ラテン』から」とまで褒め称えられた、才色兼備の100名を超えるホステスたち。本場ラスベガスにも負けないような一流アーチストによるショー。2時間も遊べば大卒の初任給近くが請求される店でした。商談を成立させるために惜しげもなく交際費をつぎ込む社用族がいらっしゃるかと思えば、自腹でお支払いになる方も来店される。分野も立場も異なるさまざまなお客様ではありましたが、ただひとつ共通していたのは、皆さまが「一流」であったとことでございます。「一流」の方だけが持つ自負心と使命感をお持ちでございました。開店から閉店まで「ニューラテンクォーター」で働き、常に最前線でお客様と接する幸運に恵まれた私にはそう感じられたのでございます。

 

裕次郎さんがどんな時でも、まったく崩れないことで粋を見せてくれたといたしますと、一方の勝さんは自らをさらけ出すことで粋な人生を見せてくれたといえましょう。勝さんの飲み方はまさしく豪快。一般に、そういう豪快な飲み方をなさる方というのはかなり傲慢で、わがままを言っては店の者を困らせてしまうものです。ところが勝さんに限りましては、まったくございませんでした。お支払いも実に綺麗でした。10〜15人くらいでお見えになり、常に全員分のお勘定を現金で払っていらっしゃいました。酒豪ですが、それ以上に支払いの点でも豪傑だったといえます。お兄さんの若山富三郎さんは、正反対にまったくお酒を飲まれません。もうひとり高倉健さんもまったくお酒を飲みません。噂どおり硬派の方で、ホステスともほとんど会話を交わしません。ただショーがお好きなようでした。

 

・大変に失礼なことを申し上げるようで恐縮ですが、プロ中のプロというべき当店のホステスも「最近のお客さまとは、会話が成立しない」と嘆き出しました。彼女たちは開店以来、常に新聞・週刊誌に目を通し、社会の情勢を把握、知的会話ができるようにと努力をしてきましたが、お客さまの側も、お酒を飲みながら、知的な会話をお求めにならなくなりました。また、お客さまが教養も話術もある手ごわいホステスを口説き落とす、そういう遊び方をどこかで放棄なさりだしたようでございます。

 

「ニューラテンクォーター」が成立しなくなったいちばんの理由は、戦後民主主義を受けた、年齢だけは大人だが人間的に成熟することのない日本人が、派手にお金を使える立場になってきたからだと、私は感じております。私どものような店は、限られたエリートを相手にしない限り成立しないのですが、真の意味でのエリートがいなくなってしまったと感じざるをえません。

 

「四大スター(三船敏郎勝新太郎萬屋錦之介石原裕次郎)、一夜限りの「粋比べ」」「美空ひばりさんの飛び入り出演」「ビートルズのキャンセル」「目撃者に聞いた力道山事件の真相」「ナイトクラブビジネスの裏表」「ホテルニュージャパン炎上」「」ニューラテンクォーターの終焉」「昭和とともに去った大人の時代」 など。

 

いや〜すごいなあ!客層も規模もレベルも!一度行きたかったなあ。まさに昭和の裏面史だね。オススメです!(・∀・)

 

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赤坂ナイトクラブの光と影―「ニューラテンクォーター」物語

赤坂ナイトクラブの光と影―「ニューラテンクォーター」物語