新元号「令和」が発表されて平成もあと一ヶ月だね。この時期に思い出すのは昭和の終わりに亡くなった手塚治虫と石原裕次郎、そして美空ひばりだ。一つの時代の終わりを感じさせるよね〜!
さて、この本。聴く美空ひばりではなく、読む美空ひばり。ワタシの親の世代だけど、やっぱり美空ひばりは天才だったんだね。そのコメントのいくつか紹介しよう。
・(井上ひさし)ぼくが繰り返し聴く曲というのは昭和32年の「港町十三番地」までなんですよ。あとの「哀愁波止場」とか「柔」とか「悲しい酒」とかは,どうも違うひばりさんの歌のような気がしています。もちろん、これは一ファンの勝手な思い込みですが、ひばりさんが日本の歌謡曲に持ち込んだ新しい規則というのは「日本語を完璧にリズムに乗せる」ことだった。ある分野に、まったく新しい規則を持ち込む才能の持ち主をひとは天才といいますが、ひばりさんはその意味で正真正銘の天才でした。しかし「港町十三番地」以後、ひばりさんは日本語をリズムに乗せようとしなくなった。昭和初期の流行歌へ戻ってしまう。ひばりさんは、やっぱりラジオとレコードと映画の時代の人なんです。ジェット機じゃなく、豪華客船時代の人なんです。
・(岩城宏之)ひばりさんの歌唱は、どんなときに聴いてもパーフェクトだった。テレビではない、何度も実演を見に行った。彼女のパーフェクトぶりを、冷たいとは思わなかったけれど、あんなに上手く歌わなくてもいいんじゃないか、といつも思った。世界中で、これほど完璧に音程のよい歌手は存在しなかった、と断言できる。ひばりさんはいわゆる音楽教育を一切受けていないはずである。生まれ持った才能、つまり天才だっただけだったのだ。音楽史上唯一の「天才」は、モーツァルトだけというのが、常識である。しかし僕はこの言葉を、ためらいなく美空ひばりさんにも使いたい。
その他、「ひばりは横須賀を歌わず、百恵は横浜を歌っていない」「ゆらぎ、にじみ出るひばり歌謡、直進する百恵という生」など。
久しぶりに聴きたくなりました。オススメです。(・∀・) ♪