読みたくない本、読みすすめたくない本がある。まさにこの本はそれだ!途中で投げ出したくなった……。(*_*)
「酷い目に遭うのは、殺人犯より、その家族!連日のように耳にする殺人事件。当然ながら犯人には家族がいる。本人は逮捕されれば塀の中だが、犯罪者の家族はそうではない。ネットで名前や住所がさらされ、マンションや会社から追い出されるなど、人生は180度変わる。また犯罪者は「どこにでもいそうな、いい人(子)」であることも少なくない。厳しくしつけた子どもが人を殺したり、おしどり夫婦の夫が性犯罪を犯すことも。突然地獄に突き落とされた家族は、その後どのような人生を送るのか?日本で初めて加害者家族支援のNPO法人を立ち上げた著者が、その実態を赤裸々に語る」そのエッセンスを紹介しよう。
・犯人にも、家族がいる。両親、配偶者、きょうだいなどの犯人の家族は、事件後、どのような人生を送るのか。被害者側の怒りや悲しみ、犯人への憎悪や応報感情の矢面に立たされるのは、塀の中に隔離される犯人ではなく、加害者家族の方なのだ。本書では、これまで明かされることのなかった加害者家族の実態に迫る。
ある日、突然、家族が事件に巻き込まれてしまったらー。そして家族が被害者ではなく、加害者だったとしたらー・
・早朝に鳴り響く電話のベル。後藤よし子(60代)は、悪い予感と共に目覚めた。この時間の電話によい知らせはない。まず脳裏に浮かんだのは、90歳をすぎた母だ。倒れたりしていないといいが……。その次は子どもたち。事故に巻き込まれていないことを願いつつ、受話器を取った。
「◯◯警察署の……」病院ではなく、警察ー。受話器の向こうから語られる予想だにしない出来事に、よし子は一瞬、耳を疑った。
「え?何でしょう……、おっしゃっている意味がわかりませんけど……」よし子は取り乱し、電話の相手に質問を繰り返していた。
「お父さん、あの子が人を殺しました……」
その言葉に、康夫は鈍器か何かを殴られたような気がした。
「え?何だって?」
「あの子が……、人を殺したんです……」
殺したー。康夫の中で、この言葉だけが繰り返し鳴り響いていた。
その他、「家族がある日突然、犯罪者になる」「家族に群がる宗教団体や霊媒師」「夫が強姦罪で逮捕」「加害者家族はこう苦しむ」「犯罪者は平凡な家庭から生まれる」「事件後の出費は平均6000万円!」「逮捕を知り、中絶を選ぶ新妻」「加害者を神にするマスコミ」など。
……フィクションでは書けない…。そして東野圭吾の「手紙」を思い出した。興味のある方、オススメです。(*_*)