「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「運「ツキ」と「流れ」を呼び込む技術」(野村克也)

 


運 「ツキ」と「流れ」を呼び込む技術


ワタシが野球に興味を持ち始めた子どもの頃、ノムさんこと野村克也南海ホークスプレイングマネージャーだった。


さて、この本。「理をもって戦う」を信条とするID野球の提唱者・野村克也が、初めて「運」の正体を語る!「ツキ」と「流れ」を呼び込む技術が明らかに!「私はいま、自分にこれまで訪れた幸運に感謝する気持ちを込めて、運とは何かをここに記したい。これは、理をもって運を引き寄せる、根拠のある運を呼び込むための最初で最後の「野村の運」の書である。本書が野球という小さな世界を飛び越えて、多くの読者が運をつかむための本になると私は信じている」そのエッセンスを紹介しよう。


「俺は、つくづく運が良かったなあ」80歳を過ぎたいま、自分の人生を振り返って考えてみると心からそう思う。たしかしに努力だけは人一倍したかもしれない。しかし野球界には同じような努力をした人は他にいくらでもいる。その中で私がここまでやってこられたのは、考えれば考えるほど、運がよかったからだ。


私は自他ともに認める不器用な人間だ。来た球に瞬時に反応して打てる長嶋茂雄とは正反対。だからこそ「俺は打つためにどうするか」を考えるしかなかった。「このピッチャーは、こういう場面でどういうボールを投げてくるのか」という傾向と対策を観察と研究によって割り出す。そういう努力を日々重ねることによって、才能に劣る私がプロのバッターとして生きていくことができた。引退後は、そこで身につけたことが解説者としての仕事に生かされ、選手への指導に生かされ、本を書く時につながった。すべて私が不器用だったからこそである。


運がいいことが起こったときに、その奥に何があるのかをつぶさに見直すことだ。運よく勝ったり運良く点が入ったりしたときに、そのプロセスを思い起こし、その背景を洗い直し、そういう結果になった原因が浮き彫りになるまで考え抜いてみることだ。


・例えばセカンドゴロがイレギュラーバウンドして二塁手の頭を超えて外野に転がり、ランナーが生還して逆転で負けた。それは多くの場合、一塁ランナーが二塁向かう走路がランナーのスパイク跡でデコボコができていて、その窪んだことろにゴロがぶつかって不規則なバウンドをするときである。そこで内野手は、守備範囲内の走路が荒れていないかどうかを確認して、即座に自分のスパイクの底で多少の踏み鳴らしをして修復する。それを見落としたり怠ったりして荒れたままにしておくと、そのせいでイレギュラーバウンドを招くということが少なからずある。不運ではない、備えが足りなかったのだ。


・チームは、ただ「運がよかった」と喜んでいるだけではいけない他山の石として「自分が守備についているときはこんなことにならないよう、終盤の大事な場面で走路が荒れていたら自分で修復することを忘れないようにしよう」常にそういう視点が必要なのだ。


見逃し三振という結果だけで選手を責めたことは一度もない、問題はその内容だ。「同じ三振でも、その根拠があればけっして結果だけで責めはしない」もし「このピッチャーは3ボール2ストライクというカウントでは、かなりの確率でフォークボールを投げてくる、それに狙いを定める」ということが正しいデータを基にした判断でありそう割り切って待っていたのなら、かりにストレートが来て手を出せなくて三振をしても仕方がない。その検証と反省をしていれば、かならずは次からの打席にそれが生きる。大切なことは、同じ凡退でも次につながる凡退かどうかである。


マー君田中将大)が投げると、なぜか打たれても負けない。改めてその理由を考えた。まぜ負けないのか、なぜこんなに運が強いのか。南海ホークスのエース杉浦忠も同じように負けなかった。2人には、やはり共通する点があった。なぜこの2人が投げた試合は、打線がよく点を取ってくれるのか。それは「チームの気運」という運を2人が呼び込んでいたからだ。「今日の試合は杉浦が投げるから絶対に負けない」「きょうはマー君が投げるから勝てるぞ」2人とも、そういうムードをチームに与える「真のエース」と呼べる選手だった。だからこそ彼らが投げる試合は負けなかったのだ。


・能力的に見た場合、マー君には「困ったときにはどうするか」というボールを投げきる力があった。「原点能力」と呼んでいるアウトコース低めいっぱいにストレートを投げきる能力があった。これがスライダーと並んで生命線になるだろうと思った。杉浦もこの原点能力は高かった。だから打たれることがあっても、コントロールを乱してフォアボールを連発するようなことがない。それが野手にとっては信頼できるピッチャーであり、リズムがあって守りやすいピッチャーになる。エースの条件とはチームメイトからの信頼が厚いことだ。


杉浦もマー君も野球選手としてだけではなく、人間として周囲に評価される人間であろうと努力している。それが並の選手と一流選手の差だ。ONという日本球界を代表する2人が、なぜ多くの日本人に愛されているのか。それは野球の成績だけではなく、だれよりも野球に取り組む姿勢が真摯で、みんなに尊敬される人格を備えているからだ。


私がなぜ野球の神様を信じているのか。それは努力を信じているからだ。努力はいつか必ず報われる。私はそう信じて努力してきた。自分の能力のなさをカバーするためには、人一倍努力をするしかない


感性とは、感じる力であり、気づく力である。感じる力とは、流れを感じる力であり、流れを感じる力があるからこそ、流れをつかむことができる。言い換えれば、チャンスをつかむことができる。つまりチャンスを逃さない。そして、運を逃さない。


運命は変えられるか?運は自分で切り開けるものなのか?私の答えはYESである。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる」私の好きな言葉である。


やっぱり人間力だね。人間力が運を引き寄せるよね。オススメです。(・∀・)



運 「ツキ」と「流れ」を呼び込む技術