
小学生の頃、ジャイアンツのV9の真っ最中。長嶋さん、王さんはもちろんだが、記憶に残るのは背番号18のエース、堀内恒夫だ。「ビッグリーグガム」のCMが懐かしいっ!
野球の天才、才能だけでやってきた男の物語だ。「オレはちゃんとした試合でなければ力が出ないんだ―最大のピンチに最高のボールを投げた男。打たれても、暴投しても、マウンドに立つと俄然試合を面白くした男。“悪太郎”“甲府の小天狗”といわれながらも、堀内恒夫は、素質と運と度胸に裏打ちされた強烈なプロ根性で立ち向った。巨人V9の大黒柱への限りない愛情をこめて、現役引退までの軌跡を克明に追った書き下ろし作品」そのエッセンスを紹介しよう。
・中三のとき法政大学のチームにまじって練習したら、 ピッチングの番になってキャッチャーにすわってもらうと、 堀内のボールは早すぎてそのキャッチャーでは捕れなかった。 堀内がすぐれていたのはピッチングだけではなかった。 何をやらせて誰よりもうまかった。 彼にはそのすべてがすでに備わっていて、 そのうえどういうふうにやれば最良の結果が出るかを、 何でも本能的に知っているという感じだった。 結局生まれつきの才能なのだ、と考えて納得する以外になかった。
・「天は、 素質の乏しい努力型の人間には根性と強靭な精神を与えるが、 天才型の人間にはそれを与えない。 どうして一人の人間に全部を与えないのだろう」 堀内の素質にたとえば王貞治の根性と強靭な精神が半分でも備わっ ていたならどんなに素晴らしかったろう。
・藤田元司「 高校生であんなにすばらしいバランスの体は見たことがなかった。 しかもピッチャーにとってイチバン大事な下半身に筋肉が集中して いて、腰まわりや太腿がじつによく発達していた。 こういうタイプはスタミナの心配がない。ひと目みただけで、 こいつはいいピッチャーになると思った」
・「プロにはたくさん怖いバッターがいるじゃないですか。 それでもぼくが勝つのは、ぼくの力がそれ以上だからですよ」

・堀内には、 他の投手にはない不思議な力を持っていることを人々に分からせた 。それは、ただ単に勝つだけではなく、 彼が勝つとチーム全体に勢いがつくということだった。 なぜなのかは誰にも説明がつかなかった。
・(高橋一三)「ノートのことはよく知ってるよ。ゲームのあとでいつもつけてたからね。人は何ていうか知らないけど、ぼくの知っている堀内は、ジャイアンツのなかでは一番よく野球の勉強をしたピッチャーだったよ。」
(関本四十四)「ホリさんは、おれたちがちゃんとメモをとっていると、おまえら一時間ぐらいの話が頭はいらんのかといってバカにする。でもあとでちゃんとメモしていたんですよ。あの人はそうやって自分で面白がっていたんだと思いますね」
・堀内は自分でしようと決めたことは人が何といおうと守り通すが、反対に、それがどんなに正しいことでも、すこしでも誰かに強制されていると感じると、それだけで何もかもいやになってしまうのである。そしてわざと反対のことをしでかすのだった。
・「結局、49年のシーズンは、どうしても優勝するんだという気持ちがみんなになかったのだと思う」
・「長嶋さんは、ピッチャーをつねに天才的なバッターとしての目しか見なかった。おそらく、ピッチャーというは全体にバッターを抑えられないものだと考えていたのだと思う。だから安心してマウンドをまかせられなかったのだ」と堀内。「50年のシーズンは、投げていて勝てるという気がまったくしなかった」
・「野球をやるなら、何といったってピッチャーだね。電車は飛行機はおれが乗らなくたって時間がくれば出発してしまうと、野球はおれが投げなきゃはじまらないんだ」
・「おれは弱いということは何ごとにおいても嫌いなんだよ。ところがそのわりには弱いんだよ。若いころから投げるのはいつも怖かったし、先発前の夜に布団のん中でピッチングの組み立てを考えていると、必ずノックアウトされて立ち往生する自分の姿が浮かんでくる。」
・(近藤昭仁)「彼の素質は全部天性のものだ。ピッチングもバッティングもフィールディングも、努力してよくなったというもんじゃない。努力じゃあんなにうまくはならない。だからぼくなんかは、あれでせめて普通の選手ぐらいに努力したらどんなにいい選手になるだろうと思うけど、そういうやつってのはやらないんだよ。なぜか絶対にやらないね」
・(倉田誠)「たしかにホリは自分で必要だと思った以上の練習はしなかった。しかしあの体だよ。176センチで70キロかそこらしかないんだからねもっと練習すればもっとよくなっていたかもしれないけど、おれは反対に疲労でもっとはやく駄目になっていたんじゃないかと思うね。同時に両方のやり方はためせないから、分からんけどね」
・「おれは努力なしで素質だけでずっとやってきた。それについてはいろいろいう人もいるだろう。しかし人生ってのは何本もの道があるけど、結局自分のたどる道というのは一本しかない。それはその道を歩いてきたんだ。やりたいことは全部やった。悔いはないよ」
いいなあ!ホリさん。引退試合のホームランが忘れられないっ!!!野球ファン、必読。オススメです。(・∀・)
