「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「鳥類学者 無謀にも恐竜を語る」(川上和人)

 


鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)


先日紹介したこの本、タイトルも内容も実にオモシロカッたよねー!(・∀・)


「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」(川上和人)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20180511


図に乗って(?)川上和人氏の他の著作も読んでみたくなりました。で、この本。「鳥は恐竜から進化した!?」って知ってた!?(・。・)


「ユニークな視点と大胆な発想をもとに、恐竜の息吹を蘇らせる。無謀とも言える挑戦で見えてきた恐竜の姿とは、一体どんなものなのだろうか?」そのエッセンスを紹介しよう。


世の中には2種類の人間がいる。恐竜学者と鳥類学者だ。そして、私は鳥類学者だ。それ以外の人?……些細なことは気にしないでいただこう。この本は鳥類が恐竜から進化してきたことを大前提に書いている。本書の主題は、鳥類と恐竜の緊密な類縁関係を拠り所とし、鳥類の進化を再解釈することと、恐竜の生態を復元することである。


鳥類が恐竜から進化したものだと考えると、彼らは恐竜の一味ということになる。したがって恐竜は絶滅しておらず、鳥類として現代に生き延びている、といわれるようになった。この自体には違和感はない。しかし、恐竜は絶滅したと聞かされ続けてきたため、頭の中にそのことが刷り込まれている。いまさら鳥を「恐竜」と呼ぶのも抵抗がある。それに花鳥風月は日本人の心であり、花竜風月ではあまりにも趣がなさすぎる。


ワニやカメ、トカゲなどでは、体から横側に張り出すように脚がついている。このため、彼らは基本的にガニ股である。一方で恐竜の脚は、体から下向きについている。二足歩行には、下向きの脚が有利だ。長距離を移動するにも有利で、恐竜が世界中に生活圏をひろげた要因の一つともされている。恐竜は体が大きい。巨体を支えられたのも、脚が体の下についていたからだ。脚が横についていたら、あまりに重い体はもち上げられなくなるので、巨大化には限度があっただろう。


・今でこそ、鳥が恐竜から進化してきたことは、多くの研究者の共通認識となっている。鳥類が恐竜起源といいうことは、鳥類は恐竜の一系統であり、恐竜は絶滅していないことになる。恐竜が生き残っていたとなると、それは非常にセンセーショナルなことだ。なにしろ、あの有名なフライド・チキンフライド・ダイナソーになってしまう。KFDだ。


・原生の脊椎動物において、日常的に二足歩行を行うのはヒトと鳥類とカンガルーとエリマキトカゲぐらいのものであり、動物の運動を考える上では重要な共通点である。そして恐竜も基本的に二足歩行を行う動物だ。二足歩行は、鳥類と恐竜の大いなる共通点なのだ。


「鳥は空を飛ぶことを選んだため、ものを扱うことのできる便利な道具である腕を犠牲にして進化した」といわれたら信じるだろうか。私はあまり信じていない。鳥の祖先が自由にものを扱うことのできる器用な腕をもっていたなら、そこから得られる利益はとても大きかっただろう。なにしろ、この器用な腕がなければ、ポテチも食べられないし、ピアノも弾けないし、不便きわまりない。ヒトが過去に描いた人型有翼生物のほとんどが、翼と共に腕を維持している。このことも、腕という有用物が翼と等価交換するには価値が高すぎることを裏付けている。


その他、「恐竜はやがて鳥になった」「鳥は大空の覇者となった」「無謀にも鳥から恐竜を考える」「恐竜は無邪気に生態系を構築する」など。


そおかあ!恐竜は絶滅していなかったのかあ!!!なんちゅー衝撃!超オススメです!


 


鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)