「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡」

   


ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡 (新潮文庫)


天才にあこがれる。そして数学者にあこがれる。やっぱり自分にないものにあこがれるんだなあ!(笑)


さてこの本。そのダブルの要素をもった、ノーベル経済学賞に輝いた数学者ジョン・ナッシュ。の伝記である。それは、人生で3つの局面を体験した稀有な人間の物語だ。すなわち、天才、狂気、再生という3つの局面の。


「恐るべき早熟な頭脳を持ち、21歳のときに経済学に革命的進歩をもたらすゲーム理論を打ち立てながら、統合失調症を発病。入退院を繰り返して30年以上の闘病生活を送った後に、奇跡的な回復を遂げてノーベル経済学賞に輝いた数学者ジョン・ナッシュ。綿密な取材をもとに心を病んだ天才の劇的人生に光をあて、人間存在の深淵と生きることの美しさを描いた感動のノンフィクション」そのエッセンスを紹介しよう。


ジョン・フォーブス・ナッシュ・ジュニアー数学の天才で、合理的行動理論を発見し、思考する機械を夢想した男は、自分が「今世紀後半における最高の数学者」で戦略のゲーム理論、経済競争、コンピュータの設計、宇宙の形態、虚空間の幾何学素数の謎などの広範囲に想像力を羽ばたかせた。


・「天才にはふたつのタイプがある。ひとつは普通の人間とまったく変わらないのに、すべての点でまさっているタイプ。もうひとつは、どうみても普通の人間には手の届かない、特殊な閃光を放つタイプ。ナッシュは、不思議な才能をもつ天才だった。「山へ登るときは、誰もがどこかに小径がないかを探しながら頂上へたどり着こうとします。しかし、ナッシュはまったく別の山へ登り、そこから最初の山をサーチライトで照らし出すのです」


同僚たちにしてみれば、ナッシュはどう見ても異質な存在だった。「冷淡」「高慢」「無感情」「付き合いにくい」「気味悪い」「自閉的」「偏屈」というのがおおかたの見方だったデカルトウィトゲンシュタイン、カント、ヴェブレン、ニュートンアインシュタインといった多くのすぐれた科学者や哲学者も偏屈な人間嫌いだった。感情的で人と溶け合わない内向的な気質が、科学的創造性を促進した例は少なくない。


・ナッシュは生活面での華やかさの裏では、いっさいが混沌として矛盾だらけだった。何人かの男性との特殊な関係、隠された愛人とその歓迎されざる非嫡出子。自分を崇拝している妻や、自分を育ててくれた大学や故郷に対する激しい愛情と憎悪。そして、つのっていく失敗に対する恐怖。それらすべてに、彼は絶えずつきまとわれていた。やがて、この混沌は湧き上がり、溢れ出し、彼が丹念に築き上げてきた人生を、もろくも洗い流してしまったのである。


やっぱり天才って脳の仕組みが人とは違うんだろうねえ。その孤独と闘っていくんだろうねえ。オススメです。(・∀・)


   


ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡 (新潮文庫)