「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「下世話の作法」(ビートたけし)

  


下世話の作法 (祥伝社黄金文庫)


いつもながら、ビートたけしの冷静かつ客観的な着眼点にはいつも感心させられる。ここまではっきり言ってくれる人って貴重だよね。

さてこの本。日本人が忘れかけている「粋」とは?「品」とは?


この本は私の『聖書』である。下品な俺だから分かる 「粋」で「品」のいい生き方とは。 よーく読んで、今こそ 日本人の原点に戻りなさい。現在の日本を予言した恐るべき本、ついに文庫化! この本が初めて出たのは二年半前だけど、民主党のダメさかげんも、大震災のような非常時に人間がいかに動くべきかも、全部ちゃんと書いてある。 何しろ今現在の日本に起きているあれやこれやを すでに言い当てているんだからね。 私は自分の予知能力が恐ろしい」そのエッセンスを紹介しよう。


日本人は勝ち負けの決着がついた時、負けた相手に敬意を払って派手に喜ばない。悔しくて落ち込んでいる相手に気を使って、無駄な喜びをしないのが、ジャパニーズの伝統的な美徳でしょう。なでしこJAPANは優勝した瞬間、まさにそのジャパニーズの美徳を見せる晴れ舞台に立てたはずなのに、相変わらず外国人と同じようなパフォーマンスをやってしまった。優勝して、一礼だけして静かに会場から帰っていけば、日本を全世界に売り出すチャンスだったのに。「傷ついた相手に敬意を表する」姿勢が日本人の原点なんだ。


・やっぱりおふくろの影響って大きくて、よく言われたのが「銀行なんてただの金貸し」「株は博打」「クレジットは借金」ということ。「お前、カネなんか借りたらろくなことないよ。友だちなくすよ」ってしょっちゅう言われた。だから俺はカードローンなんて組まないし、だいいちカードをもっていない


・俺が小学生のころ、友だちで何になりたいか聞かれて「女のパンツ」って答えたやつがいる。それで先生にぶん殴られた。女のパンツになれば、いつもコーマンを触っていられる。局部のそばにいられるとか言って怒られちゃった。でも正直でいいっていう見方もある。


男で「お嫁さん」って答えたやつもいた。「なれるわけねえだろう」ってみんな言ったんだけど、そしたら何年かあとで、そいつはオカマになったという噂を聞いた。弱ったなと。


・世の中は夢、出世、成功ってうるさいけど、俺に言わせれば「成功」の秘訣は「いちばんなりたいものにならないこと」だよ。商売でも何でも、いちばんなりたかった職業に就いたとたん、そいつの人生は終わってる。だって、なりたいと思うものになれたんだから、その先には何もなくなっている。


成功の秘訣は、いちばんなりたいものじゃなくて、その人にとっては二番目か三番目の、違う仕事に就くこと。自分にはもっとやりたいことがあるんだけど、今すぐにそれをできる能力はないから違うことをやってます。それぐらい自分を客観的に見られるやつのほうが、成功する可能性は圧倒的に高い。俺は漫才師になって喜んでいない。漫才師になりたくてなったわけじゃない。大学をやめて、しょうがなくて漫才を始めたら運よく宝くじに当たっちゃったみたいなもんなんだって。


・俺の師匠、深見のおとっつあんこと深見千三郎「芸人は腹を減らしていても、いい服をきろ。腹が減っているのは他人に分からねえが、着ている服は見える」「芸人は外でいいものを食え。そのカネがないなら外へは行くな」「芸人は芸を持たなきゃダメだ。楽器でもタップダンスでもいいから、舞台で客を見せられるレベルの芸を持て」「芸人は舞台から降りたら、かっこいいと言われるようにしろ」「笑われるんじゃない、笑わせるんだ」みんな「粋」に通じることだよ。


・俺が何度も言ってる作法とは、突き詰めると「相手を喜ばせること」なの。相手を傷つけない、相手を嫌な気分にさせない、相手を立てる。そのために気を使う。気遣いは押し付けない。できれば気を使っていることを、相手に分からせないぐらい気を使う。それで結果として相手を喜ばせればあいい。逆に相手が怒ったら、作法にはずれていることになる。

高倉健さんの「粋」はどこから来るのか」は、考えさせられる……「愛人マンションでの大事件」はケッサク!


いいなあ!こんなふうに素直に純粋に人を愛せたらいいなあ。オススメです。(・∀・)


  


下世話の作法 (祥伝社黄金文庫)