末席ながらフードビジネスの片隅の志事をさせていただいている。その中で時折、耳にするのは、チェーンストア経営研究会『ペガサスクラブ』を主宰する渥美俊一氏だ。
「40年余にわたり、小売業、フードサービス業の経営原則について語り続けてきた。そしていま、新世紀にふさわしい『本物のチェーンづくり』が必要と説く。これからのフードサービス業に求められるのは、生産工学に基づいた科学的な分析と視点である。マニュアルを“可視化”させる、つまり、適正・適切な数字、数値に置き換えることにより、フードサービス業の『あるべき形』が見えてくると語る。市場形成40年を経ていま、フードサービス業は本格的な産業化への入口に差しかかっている。本書は新しい形のフードサービス業チェーン化を促す入門書」そのエッセンスを紹介しよう。
・わが国の飲食業では2通りのグループが有名である。一つ目はたとえ1軒でも、まったく独自の味を出したコダワリの営業形態でせいぜい10〜20店どまりで、ほとんと一代商売で消滅してしまう。2つ目は、まず200店突破をめざし、次いで500店、さらに1000店台に乗せようと大きな野望を抱いているフードサービス業チェーンである。この2種類は、経営理念も経営方式もまったく異なっていて、日常の努力の方向もすっかり違っている。
・マクドナルドやガストにせよ、別にご立派な店ではない。でもこれら大手の店には、普通の飲食店よりもはるかに多くのお客様が殺到しているのである。これは、よほどの魅力がないと実現できないことだ。とても一個人の能力、一個人の常識の集積でできる仕組みではないのである。
・大手チェーングループは70年〜80年代に「決起」したのである。走るべき時期に一気に走った。30年、40年という企業の歴史の中に、5年から10年、疾駆した時期があるのだ。共通に死に物狂いで取り組んでいたのが人材対策、そして計数管理の知識を獲得することであった。この2つは、よくある外食の繁盛物語とか経営者の成功物語には決して出てこないことだ。つまり彼らの本当の原動力は「人と金」だったのである。
・みんな「いまの商売」で大きくしようとしたのではないのだ。大事なのは20年、30年後に世の中が、我が社をなくてはならない社会的インフラと受けとめてくれること。我が社の店を、道路とか駅、学校などと同等の存在だと思ってもらえる、そういう企業になろうと考えることだったのである。
・いま中小であることを恥じることはない。しかし中小企業のままで10年、20年過ごすことは恥だと思わねばならない。かけがえのない、ただ一回こっきりの自分の人生を燃え盛らせるのか。それとも、とにかく怠惰に酔生夢死で終わるのか。その人生の分岐点が、いまである。そのビジネスに人生をかけるのであれば、すぐに勉強をはじめなければならない。
・旨さを考えるうえで、一番大事なのは「飽きのこない味」であることだ。少なくとも濃厚な味はダメである。8割以上の人が300日以上食べられる味なのか。これが旨さとという品質を決めるにあたってのポイントになる。さらにその旨さは「テイスト」と「アロマ」と「フレーバー」の3つによって表現される。
なるほど。そーだったのかあ…。φ(..)メモメモ これは勉強しないと!飲食意外の方にもオススメです。(・∀・)