「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「コンビニ店長の残酷日記」(三宅貞雄)


日本全国に5万店以上あり、原則24時間、365日営業で飲食料品はもちろん、日用品からペットのエサまで必要なものは大抵揃う。各種サービスも豊富で、もはや、コンビニなしの生活など考えられない


ただ、その分、従業員への負担は増える。多忙な上に次々と登場する新サービスのマニュアルをすべて覚えるのは至難の業だ。その中でもひときわツライ立場にいるのが店長(オーナー)だ。最近ではアルバイトも集まらず、その分、店に出る時間は長くなる。独立した経営者という立場のため、当然、残業代なんていうものは出ない。人件費を浮かせるために奥さんに頼み込んでシフトに入ってもらうのは当たり前だ。そんなコンビニ店長の哀愁漂う「日記」には、知られざる内情がたっぷりと詰まっている。そのエッセンスを紹介しよう。


24時間、365日営業。どんな時間でも欲しいものは揃っている。「街のインフラ」として、現代社会においては必要不可欠はコンビニ。しかしきれいごとばかりではない。自分が現在、加盟するコンビニチェーン本部には驚かされることの連続だ。資本主義社会である以上、利益追求は当たり前のことだ。しかし、その方法というのが、理解に苦しむことばかりなのだ。この仕事を始めてから様々な疑問を抱くようになった。自分がわかる範囲内で、それらを解き明かしていこうと思う。コンビニは人間の素がさらけ出される人間ドラマの宝庫でもある。それでは、驚天動地の舞台裏へ、「いらっしゃいませ、こんにちは」


・住宅地に立地するこの店でも、さすがに正月は客が少ない、何も元旦から店を開けなくてもいいんじゃないか、と思う。年末年始で学生アルバイトが帰省してしまい、年越しは俺一人で迎えるハメになった。今年も日本経済は不透明。せめて日商(一日の売上)が落ち込まないことを祈ろう。


24時間年中無休は、問題点もある。来客がほとんどない深夜の営業は、加盟店にとって赤字になることが多いが、人件費を抑えるために一人体制(ワンオペ)にすると事件に巻き込まれれることが多くなる。私は慌てて、従業員保険に入った。それと、アルバイトには強く言っている。「何かあったら、記録だけは取っておいてくれ。それ以上のこと絶対するな」と。リクスを冒すのは、私一人でいい。コンビニには大した金はない。命がいちばん大切だ。コンビニに限ったことではないが、過剰なまでの「便利さ」は新たな問題を引き起こす可能性が高い


今日はSV(スーパーバイザー)がやってきた。経営数値の分析に基づいて経営改善をバックアップしてくれるということだったけど、そんな話はほとんど聞いたことがない。いつも最初に出るのは「新商品の発注数」のことだ。今週の新商品の発注数の確認と今後の見通し、その次に来週の新商品の話。「他店でも売れているんで、ドンといきましょう!」と言われたけど、売れ残ったリスクを背負うのはこっち。並べ方からポップのことまできめ細やかな提案はありがたいけど、そう強気で言われてもね。さて、どうしたものだろう。頭が痛い。


その他、「悩ましい雑誌の立ち読み問題」「もっとも重要な仕事は2日先を読む発注作業」「「自爆」でノルマを達しする店も」「レジ横のチョコを試食品と勘違いして食べる女性客」「食べられる食料品を捨てる心の痛み」「正規ルート仕入れより、ドンキから仕入れた方が安い?」「毎日3回はトイレを借りに来る常連さん」「売上は、毎日全額を本部に送金しなければならないという掟」「コンビニの売上は「立地」で決まる」「人情味あふれるトラック野郎は家族同然」「廃棄で生活費を浮かしてはどうですか?」「家族旅行は1伯0日」など。


便利の影には、人知れずのスタッフの努力があるんだねえ。オススメです。(^^)