「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「思考の整理学」(外山滋比古)

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思考の整理学 (ちくま文庫)


この本が出版されたのがもう32年前。この頃は渡部昇一さんや外山滋比古さんの本を良く読んだなあ…。おそらくこの本も昔読んだと思う。(╹◡╹)



アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書」中でも学校教育の限界についてこの頃から警鐘を鳴らしていたんだね。そのエッセンスを紹介しましょう。


グライダーと飛行機は遠くからみると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりもむしろ美しいくらいだ。ただ、悲しいかな、自力で飛ぶことができない。学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない。グライダーの練習に、エンジンのついた飛行機などがまじっていては迷惑する。危険だ。学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちチェックされる。やがてそれぞれにグライダーらしくなって卒業する。優等生はグライダーとして優秀なのである。飛べそうではなないか、ひとつ飛んでみろ、などと言われても困る。指導するものがあってのグライダーである。


今の学校は、教える側が積極的でありすぎる。親切でありすぎる。何が何でも教えてしまおうとする。知識を与えるのに有能であればあるほど、学習者を受け身にする。本当の教育には失敗するという皮肉なことになる。いまの学校教育では、グライダー能力はつけられても、飛行機能力をつけにくい。それにもかかわらず実際には、グライダーを飛行機と誤解する。試験の答案にいい点をとると、それだけで、飛翔力ありと早合点してしまう。これがいかに多くの混乱を招いているかもしれない。


ギリシャ人が人類史上もっとも輝かしい文化の基礎を築き得たのも、かれらのすぐれた問題作成の力があり、「なぜ」を問うことができたからだと言われる。飛行機能力がすばらしかったのである。文化が複雑になってくると、自由に飛び回ることが難しくなる。学校がグライダーを社会へ送り出すから、グライダーがあふれる。飛行機はグライダーにとって迷惑な存在である。本当の創造の方法はほとんど考えられていない。


やっぱり一回しかない人生という名の大空。大いに羽ばたきたいよね。若い頃読んだ本の再読って新しい気づきがあるよね。おススメです。(╹◡╹)


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思考の整理学 (ちくま文庫)