私の永遠のヒーロー、世界のホームラン王、王貞治。王さんのホームランにどれだけ感動し、勇気づけられてきたか。これは昭和30、40年代前半を生きてきた少年は同じ感情を持つだろう。
さてこの本。「巨人というチームの屋台骨を支え、常勝というプレッシャーに負けることのなかった王貞治選手。ダイエーという弱小球団を常勝軍団に変身させた王貞治監督。連続出場への誇りと、バッティングに対する技術屋としてのこだわり等から、折れない心を保ち、いくつになってもときめきを忘れなかった人間王貞治の魅力に迫る」そのエッセンスを紹介しよう。
・かねてより、私は王貞治という人物に並々ならぬ興味・関心を抱いてきた。それはたんにファンだからではない。彼ほど「心技体」を最高度に結実されている人物を、他に知らないからだ。身体というものを中核に置いて人間形成し、周囲との人間関係を築いていっく道もある。それをクリアに証明しているのが、王貞治その人なのである。本書は、王さんの足跡を振り返りながら、日本人に何を教えてくれたのかをあらためて考えてみたい。
「大リーグでも王貞治を評価してくれたことは感激だった。嬉しかった。有難いと思った。しかし私は、これまであくまでも「日本記録」として受けとめたいと思っている。数の上では、756号以上を打った選手はいないというだけの世界記録だからだ。私は、868という数字よりも、むしろ22年間に巨人軍に在籍して、その試合の97パーセントに出場したということの方を誇りたい。この事実はアメリカと同じ土俵の上で計れると思うからだ」
・一本足打法に関しては、後継者がまるで出てこない。なぜ誰も本気でチャレンジしようとしなかったのか。王貞治にしかできなかった、といってしまえば簡単だが、だとすればなぜ王さんにできたのか。考えられるのは、この打法を可能にする安定感のある下半身、そして猛練習、さらに「技術屋」としての探究心という、心技体すべての要素が揃っていたということだ。
・「基本的にプロっていうのはミスをしちゃいけないんですよ。そう思って取り組んでいかなきゃいけない。人間だからミスはするものだよと思いながらやる人は、絶対にミスするんですよ。またそれも多いんですよ。同じようなミスもするんですよ。だから「オレは人間だ」なんて思っちゃいけないんです。プロは。100回やっても100回、1000回やっても1000回、「絶対オレはちゃんとできる」という強い気持ちを持って臨んで初めてプロなんでね。」
いいなあ…王さんは変わらないなあ。刺激を受けるなあ。大好きだなあ、王さん。オススメです。(・∀・)