搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)
この本には驚いた!都内で時々見かけるバイク便ライダー。当然、バイク好きの人が多いのだとか。しかし「好きを仕事にする」ことの恐ろしさがあるのだという。
「大学を休学した「僕」は、一年間にわたりバイク便ライダーの仕事に従事する。そこで出会ったのは、不安定雇用の立場に甘んじながら、危険労働の現場に積極的に飛び込む、同僚ライダーたちの姿だった同世代の団塊ジュニアが直面する労働・雇用問題を分析した、衝撃の論考」そのエッセンスを紹介しましょう。
・バイク便ライダーの世界には、時間給で働く「時給ライダー」と歩合給で働く「歩合ライダー」がいる、職場には、時給ライダーから歩合ライダーへの転向は認められるが、その逆、つまり歩合ライダーから時給ライダーへの転向は認められないという暗黙の了解がある。
・「やりたいこと」を仕事にし、ワーカホリックになったはいいが、それが非常に不安定な職種であるとき、その人は、未来のない仕事に多くの時間を費やすことになる。多くのライダーたちは、こんな仕事にを長く続けるつもりはないと、はじめは腰掛けのつもりで始める。しかし、知らず知らずのうちに仕事にのめり込んでいく。そして、最初はなってはいけないと思っていたワーカホリックになっていく。それが「やりたいこと」を仕事にすることの本当のこわさなのである。
・多くの時給ライダーは、趣味としてのバイクをそのまま仕事に持ち込むことで、仕事に対するモティベーションを高めている。しかし、趣味と仕事が結びつくことは、もっと複雑でおそろしいことなのである。
そうだよねえ。音楽を仕事にできる人もほんの一握りだからね。わかるなあ。オススメです。(´⊙ω⊙`)