「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「生きがいは愛しあうことだけ」その2(早川義夫)


生きがいは愛しあうことだけ (ちくま文庫)


数々のミュージシャンの中で最も大好きで最も影響を受けたのが元ジャックスの早川義夫氏である。音楽観というか音楽についての考え方が非常に似ているのだ。そーそー!と共感するのだ。当然、早川さんの本も全作品持っているが時々読み返したくなる。皆座右の書だ。名言がたっぷり詰まっているのだ。


この本は久しぶりに読み返しました。読むたびに感動するところが同じところとまた響き方が違うところとがある。その新たなふれーずを紹介しよう。



「どうして、女の子とすぐ出来ないのかね」が二人の若いころからの共通した疑問だった。佐久間(正英)さんが「趣味は恋愛」と答えれば「あっ、僕も同じ」と思った。



・「goobye world」では「自分はこの人のために音楽をやって来たのではないだろうか。この人と出会うためにギターを弾き続けて来たのではないだろうか」と書かれてあった。そんなことを今まで言われたことがなかったので言葉を失った恥じないように歌っていくしかない。


・「精神科の患者さんたちに、時々、早川さんのCDを聴かせるんです。すると、心が弱くてもいいんだ。弱くても間違っていないんだってことが伝わって回復に向かって行くんですよ」


つまらない歌を歌う人は、たぶん、性もつまらない。ステキな歌を歌っている人は性もステキだ。上っ面の話ではない。性と同じように、一番深いところが色っぽいか、美しいかである。もちろんセックスはセックスだけではなく、一緒にいて楽しいか、歓び、悲しみを共有できるかだ。


人生は思い通りに行かない。でも思い通りに行かなかったことがかえって良かったと思える時がやがて来るだろう。孤独を噛みしめる時間も大切である。田辺聖子「人は何のために生きるか?ということを私はいつも考えている。私は人生を楽しむために生きるのだ、と思っている。そして私の場合、楽しむことは人を愛すること、人に愛されること、にほかならぬのである」の言葉通り、好き同士の人と巡り会えるよう、自分を磨いて行くしかない。


(好きな音楽)

・全身で歌っている。全身で演奏している。うまい下手ではなく、全身が音楽になっている。独特の世界を持っている。その世界に連れて行かれる。描写がわかる。風景が浮かぶ。伝えようとしていることが伝わってくる。歌よりも歌っている人間が伝わってくる。歌っている人のことより自分をが見えてくる。聴いている人が主人公に入れ替わる。痛い。泣けて来る。そうだよなと思う。今のままでいいのかなと思う。許してもらえる。心地よいリズム。適正な音量。間がある。間が語っている。優しさがある。聴いたことあるようなメロディなんだけど、よくある手ではない。澄んでいる。透き通っている。元気になってくる。自分も歌いたくなる。


歌をやめた時、僕はいつか、たとえば50か60歳で、また歌を歌いたいと漠然と思っていた、そうしなければ自分が終わらない気がしたのである。歌いたいことがあるから歌う。歌いたいことがないなら歌わない。それが歌っていることなのだ。声を出さなくても歌は歌える。僕は歌わなかった20数年間、実は眠っていたのではなくて「歌っていたんだね」と思われるように今歌いたい


僕に才能はない。技術もない。ステージ度胸もない。昔も今も音楽で生活できたことは一度もない。これからもない。それは自慢でも皮肉でもない。ではどうして、人前で歌おうとしているのかと言えば、歌を中途半端でやめてしまった気持ち悪さとい悔しさみたいなものがあったからだ。そして、歌わなければ、誰かとつながりを持っていなければ、自分は犯罪者になってしまいそうだからである。


歌を歌うのではない。言葉をかりて、メロディをかりて自分を歌うのだ。


・それにしても同じ行為なのにすごい差だ。好き同士は悦びとなり片思いは犯罪になる


「ぼくの好きなもの」と問われ、真っ先に浮かんだのは「女の子」だった。「女の子」がいるから僕らは生まれ、元気に生きていける。感謝だ。


・好きであることを告げても、いっこうに距離が縮まらず、温度差も開きっぱなしなら、あきらめるしかない。得るものより失うものの方がが多い時、人はそこを去って行くのが自然だからだ。縁がなかったのだ。相性が悪いのだろう。


・可能性は非常に薄いけれど、なおかつ、はたから見れば滑稽に映るだろうけれど、これからも「女の子」に恋をしよう。それしか生きがいはないではないか。


いいなあ…響くなあ…今日は早川義夫ワールドに浸ろう。超オススメです。( ◠‿◠ )


以前読んだときはこんなところが響きました。併せてどうぞ!


「生きがいは愛しあうことだけ」(早川義夫
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20140818



生きがいは愛しあうことだけ (ちくま文庫)