「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「心が見えてくるまで」(早川義夫)

私が最も大好きで、憧れ、影響を受けたミュージシャンは、元ジャックスのリーダー、早川義夫氏だ。おそらく知らない人が多いだろうなあ…。でも一度聞いてほしい。氏の言葉、メロディー、価値観、考え方は、そうそう!と頷いて共感してしまう。氏の最新刊は、赤裸々な告白が満載。そのエッセンスを紹介しよう。


「語れないこと」をテーマに書いてみたかった。「語れること」は面白くないと思ったからである。そうは言っても、やはり「語れないこと」は書きづらくて困った。例えば、嫌な思い出がある。隠しておきたい秘密がある。それらを表出するのは良いことなのだろうか。この本に書かれたことは全部本当のことだ。ただどうしても、こういう気持ちになってしまうのだということを書いてみたかった。


・彼女との出会いは偶然だった。歯車がひとつずれていたら見つけられなかった。ずっと仲良しでいたいが、いつか必ず別れは来る。そのときは、ダサい僕と付き合ってくれたことに感謝し、静かに柴犬と暮らそうと思っている


・感受性の強い女の子だった。僕の歌を聴くだけで涙を浮かべてくれた。あるとき、ヘッドホンで僕の歌を聴かせながらセックスしたことがある。耳から漏れるリズムに合わせて僕は腰を動かす。そのとき、気づいたのだ。音楽のテンポというのは,腰を動かすテンポと同じであることが一番望ましいのではないだろうか。


・心を数値で表すことはできないが、彼女は僕を100好きだったと思う。僕もそのつもりだったが、彼女の将来を考えていなかったわけだから、100とは言えなかったかもしれない。突然、彼女は他の男性と結婚した。何の相談も話し合いもなく。僕はどん底の境地に陥った。まるで、病気にでもかかったかのように、長い間立ち直れなかった。「愛は伝染する」という言葉を引きずって、ふらふらと歩いて行くしかなかった。


肉体はここに存在するけれど、たましいはどこにあるのだろう。精神はどこに、記憶はどこに、意識はどこに、無意識はどこに隠れているのだろう。ある女の子が、「肉体とたましいが一番寄り添ったときに涙が出るのかしら」と言った。


・感動する音楽と感動しない音楽との違いは何だろう。それは、音楽に限らず、映画も本も、愛する人もそうだけど、器用不器用とは関係なく、痛くなるほどの悲しみを感じるかどうかではないだろうか。涙があふれてくるかどうかではないだろうか。泣けてくるほどの感動が一番美しいと僕は思っている。


僕は死ぬとき、たぶん、好きだった女の子のことを考える。Hをしたときの情景を思い浮かべる。あんな場所で、あんな格好をして、あんなことまでした!意外性があればあるほど鮮明に記憶が残っていて、僕は愛を感じ、感動を覚える。ああ、いい娘だったな、生きていて良かったなと思う。おかしいだろうか。


「相手にとってあなたが本当に役に立っているなら、相手は離れていかない」確かにそうだ。自惚れず、勘違いせず、役に立ち続けなければならない。


・他の女性からキスマーク付きのラブレターを受け取ったので、ふざけて彼女に見せびらかしたら、「やっちゃえ、やっちゃえ」とあおられた。そういう女の子だった。「一番気持ちいいときに出してね」「どこに出してもいいよ」「やり逃げしてもかまわない」と言った。彼女は純粋だった。「好き」ということ以外、それに付随する「嫉妬」「独占」「見返り」みたいなものがいっさいなかった。僕の方がみっともなかった。彼女を束縛しようとしたかもしれない、妄想で嫉妬に狂ったことがあるかもしれない。突然、彼女は他の男性と結婚した。何の相談もなく話し合いもなく。僕はどん底の境地に陥った。まるで、病気にでもかかったかのように、長い間立ち直れなかった


恋人の条件を三つあげるとすると、「顔、性格、センス」と答えた。「顔」は美人不美人というより、表情である。顔に人柄やこれまでの人生が滲み出てしまうと思うからだ。「性格」というよりも、変えることのできない性質かもしれない。きつくない、ぼんやりとした女性がいい。すべてをよく解釈して、笑いあえる仲でありたい。「センス」感覚、感性はなるべく同じでありたい。映画を観ても同じ場面で感動し、服の趣味や味覚も同じ方がいい。一緒に歩きたいし、同じものを食べたいからだ。それら、三つの条件を兼ね備えた人が二人いて、一人に絞らなかければならないとしたら、僕は「性の相性」と答える。


可愛い女の子はいっぱいいるけれど、僕を好いてくれなければ何の意味もないから。僕にとっての可愛い子はめったにいない。それに、お友だちを探しているのではなく、恋人を探しているから、なかなかうまく行かない。


朝日新聞社から「元気のひみつ」というコーナーの取材依頼があった。思いつくことと言えば。1 歌を歌っていること 2 自分の気持ちを文章に表そうとしていること 3 恋をしていること、くらいだ。いずれも、多少の苦しみを伴うので、必ずしも元気になるとは限らない。しかし、それを乗り越えたとき、元気になれたり、大げさかもしれないが、生きがいを感じたりする。


「相手にとってあなたが本当に役に立っているなら、相手は離れていかない」。確かにそうだ。僕から離れていった人は、僕がちっとも役に立っていなかったのである。僕の方から離れて行った場合もそうかもしれない。もっとドキドキさせてくれる人が現れたのだろう。そのように答えがはっきりしているのだから、なぜだろうなんて悩むことはない。好きな人と離れたくなかったら、自惚れず、勘違いせず、役に立ち続けなければならない


北山修さんが「みんな、トイレのあとに手を洗うけど、僕は用をたす前に手を洗い。し終わったあとは手を洗わないよ。おちんちんはキレイなもので。雑菌は手に付いているのだから、先に手を洗わなくちゃ」と話していた。なるほど。電車のつり革やお札を触った手でおちんちんを握る方が汚い。


・ものごとがうまく行かなかったとき、まいったなと落ち込むのが普通だけど、あとあとになって考えてみると、あれで良かったのかもしれないと思うことがある。不合格だったから別な道が開けたのであり、別れがあったから新しい人と出会えたのであり、風邪で休んだから大病を防げたかもしれない。もしうまく行っていたら、とんでもないことが起きていたかもしれないそれらはすべてわからないことだけれど、そう思えば、運命はどう転んでもどっちだっていいことになる。


・僕はHだから、「♪心の中に心を入れたい」と歌っている。愛しあうということはそういうことなのだと思う。


その他、「心とちんちんの関係」「音楽をやっている人は音楽を聴かない」「往復書簡 イカ女と猫のミータン」など。


いいなあ…響くなあ…よくぞ!言ってくれた!私の価値観そのものだ!早川義夫は最高だ!超オススメです。(・∀・)!