復刻「少年マガジン」カラー大図解―ヴィジュアルの魔術師・大伴昌司の世界
この本は、少年時代を昭和40年代を過ごした私と同世代の男性にとってはバイブルというか家宝になるであろう!やっぱり大伴昌司はスゴイ!どのページを開いても時代の匂いとワクワク感がドキドキ感がよみがえる!(・∀・)
大伴昌司ーあまりある才能と時間を惜しむように、質量とともに驚異的な仕事をしつつあるさなか、73年1月27日。36歳の若さで急逝した天才的なマルチプランナーであった。彼の最も偉大な仕事は、66年から72年にかけての7年間。少年マガジン誌上で展開した実に260本以上の巻頭カラー大図鑑や図解構成記事に尽きると思われる。卓抜な発想と綿密な取材、大胆不敵ともいうべきレイアウト、構成力には驚かされるばかりでその内容は古びていない。これを復刻し出版することは現代のヴィジュアル文化の原点を直視することになろう。
「トモさん記」平井和正
トモさんは紛れもなく天才だった。その分他人に誤解を受け易かった。正義感が強く、野生動物さながらに警戒心が強く、喧嘩っ早かった。善良な人々、すなわちわれわれには優しいが悪人をこっぴどく嫌い当然の成り行きとしてしょっちゅうだれかと喧嘩していた。
トモさんの多分野に渡る卓越した才能を妬んだ連中も彼に冷たかった。胡散臭いとか胡乱といった言い方でマルチの分厚い才能には恐るべきものがあったが、私はただ素直に感心していた。
四十を待たず夭折するー私の予感は外れ、トモさんのそれは的中し、卒然として彼は逝ってしまった。もしかするとー私はトモさんの寿命の幾らかを譲り受けたのかもしれない。そんな気がする。彼の遺産は雑誌ジャーナリズムを造り変えた。私に残したトモさんの真の遺産は、その死により決定的に神秘主義を私に傾かせ。幻魔大戦に導き私後半生を完璧に造り変えたことである。
地下水脈は人目に触れずに黙々と流れている。トモさんの残した遺産はそれに似ている。人間の生は確実に死を超越する。トモさんの短い人生はそれを雄弁に証しているのだ、と私は信じている。
もう一度言う。家宝になるであろう。超オススメです!\(^o^)/