「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「教養としての官能小説案内」(永田守弘)

    


教養としての官能小説案内 (ちくま新書)


なぜ、この本を読んだのか、このブログで紹介するのか!?わかりましぇーん(笑) ただ、私が紹介しないと、みなさんは買っては読まないでしょう!(笑)


さてこの本。「美少女から人妻、熟女、女教師、くノ一に尼僧。少年ものに性豪もの。凌辱系から癒し系まで―官能小説の世界は、欲深い読者たちの嗜好に応じて多種多様な ジャンルの作品が淫らに咲きほこっている。人びとの想像力を喚起し股間を刺激するために…。こうした百花繚乱の表現世界は、いかにして形成され成熟したのか。本書では、戦後の官能小説史を丹念にたどり、一時代を築いた優れた作家たちの名作と、彼らが骨身を削って生み出した表現技法を紹介しながら、この秘密に迫る」そのエッセンスを紹介しよう。


・人は文芸に何を求めるのか。言うまでもなくそれは十人十色であろう。では、「官能小説」に対してはどうか。それは何のためのものか。多くの人は男たちの「実用」のためのものと考えているようだ。巧みなセックス描写によって読者の性的欲求をかきたて、最終的に彼らにとって「使える」ものであればよい、と。


人間の性欲は、それほど動物的にはできていない。官能小説家たちは、われわれの贅沢で多様な欲望に応えるため、ストーリー設定や主要キャラクターの造形、あるいは性交・性器描写の技法、さらにはタイトル付けなど、ありとあらゆる側面でその表現を深化させてきた。彼らが骨身を削って凝らした驚くべき工夫の数々によって、欲深い読者のイマジネーションを喚起し、その感性の奥底にひそむ淫心に火をつけることが可能になったのである。


人間のセックスは、もはや単なる生殖行為ではない。人びとの性的嗜好ー何に興奮するかーは、単純な生物の営みの範疇をはるかに超えた、多様なバリエーションを示している。人びとの「想像力」に応えることを本義とする官能小説の世界も、その流れに呼応して、その彩りを豊かにしてきた。現状はまさに百花繚乱である。読み手のツボに合わせて「ジャンル」は細分化された


・こうした現況は、どのようにもたらされたのだろうか。官能小説の世界は、いかにしてかのごとく成熟したのか。官能小説の分野にも波乱の歴史がある。第二次世界大戦後から現代にいたるまで、それぞれ一時代を築いた優れた作家たちの作品を歴史的にたどりながら、探ってみよう。


・男女の交わりを描くのに「挿入」という言葉が使えなかった状況は1960年代まで続いたのである。


その他、団鬼六ーSM小説の巨匠」「空想家ー千草忠夫」「凌辱の名手・蘭光生」「ポルノ躍進の時代ー北原武夫から川上宗薫へ」「発禁本のセックスシーン」「川上宗薫の失神派、泉大八の痴漢派」「官能小説の隆盛ー大衆化の時代」「女流ポルノ登場!」「おんなの時代の官能表現」など。


読み進めるうちに「ムラムラ」しちゃいました!(笑)オススメです。(・∀・)


    


教養としての官能小説案内 (ちくま新書)