「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「奇っ怪紳士録」(荒俣宏)

   

奇っ怪紳士録


天才、奇人、変人に憧れる。フツーはつまらない。だんだん自分自身がフツーになっているようでツマラナイ…(笑)

さてこの本、現代日本が世界に誇る鬼才・荒俣宏氏が語る鬼才の世界。「奇人がひとりでも存在すれば、世界の均衡を崩す。しかし、バランスを打ちこわすからこそ、世界に奇人はすくない。奇人たちとの邂逅は、果報であり恩寵である。この、すばらしき奇人たち!尋常ではない人々の博物誌」この中でワタシが知っているのはたったの一人。そのうちの一人を紹介しよう。


ウルトラの父 大伴昌司】


忘れられないのは、早逝された“怪獣評論家”大伴昌司氏のことである。これまでにいろいろな先輩とめぐりあったが、氏ほど印象に残る人はいかなった。たしかに、奇っ怪紳士という形容にふさわしい人物だったのだ。本名は四至本豊治。大伴昌司なるペンネームの由来は本名をローマ字にして、逆から読んだアナグラムSIS,MOTO→ OTOM,SISという具合に、のち、秀司を昌司に変えたことも、やはり語呂の加減からきているようだ。


「ぼくは40歳までに生きていたら、才能が枯渇するよ。だから結婚はしない」と36歳で急逝した。



……アマノジャクこそは凡人をはるかに抜きんでる才能をもつ、セレクトされた人間であると言えるのであります。それが証拠に、そこいらあたりの凡人どもを見渡してごらんなさい。結婚して子供を生むのはいいけれど、毎日毎日おなじように会社へ出かけ、カケそばと週刊誌の他は何一つとして考えたこともないような、ハンコで押したような人間は、これといって魅力ある特徴も才気もありますまい」(大伴さんのマスコミ初登場エッセイ「現代アマノジャク入門講座」(『マンハント』誌掲載)


お母さまが最後に、とても興味深いお話をしてくださった。大伴さんは20代半ばごろ、アメリカに渡ってディズニーランドで働き、遊園地経営のノウハウを学んできたい、と本気で打ち明けたのだそうだ。「関西に持っている土地がちょうどいいから、あそこのディズニーランドを造りたいね」このひとことが最後の奇っ怪紳士・大伴昌司氏の仕事と日常のすべてを解き明かしてくれるキイワードにちがいない。大伴さんは無邪気なアマノジャクを演じ尽くした


「北海道になった男 松浦武四郎」「盲偉人、品川にあり! 高木正年」「人を食った話 野口男三郎」「変態研究家、大友教に噛みつく 中村古峡など。


ああ〜「奇っ怪紳士」に名前を連ねたい。(笑)オススメです。(・∀・)


  

奇っ怪紳士録