「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「震える牛」(相場英雄)

  


震える牛 (小学館文庫)


この本は読ませるなあ〜!深いなあ〜!たびたび起こる食品をめぐる偽造・偽装問題を背景に見事ミステリー小説として完成している!いわば、平成版『砂の器なのだ!ドラマ化にもなったんっだってねえ。(・o・)


「警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。初動捜査では、その手口から犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。田川は事件現場周辺の目撃証言を徹底的に洗い直し、犯人が逃走する際ベンツに乗車したことを掴む。ベンツに乗れるような人間が、金ほしさにチェーンの居酒屋を襲うだろうか。居酒屋で偶然同時に殺害されたかに見える二人の被害者、仙台在住の獣医師と東京・大久保在住の産廃業者。田川は二人の繋がりを探るうち大手ショッピングセンターの地方進出、それに伴う地元商店街の苦境など、日本の構造変化と食の安全が事件に大きく関連していることに気付く」


・「このステーキは、間違いなく形成肉です。様々なクズ肉を特殊な食品用接着剤で合わせたものです。そうでなければ、250グラムで550円という値段設定はできません。ミートボックスが得意な仕事の一つです。この種の加工品はもはや食物ではなく工業製品なのです」


・「皆さん当たり前のように食べている世界チェーンのファストフードも基本的な仕組みは一緒ですよ。大量仕入れで世界中から老廃牛のクズ肉を集め、そこに添加物を混ぜ込む。刺激の強い調味料で肉本来の味なんて分かりっこないのです


・「オレが地取りや鑑取りするとき、真っ先に注目するのが街の景色、それに匂いなんだ。駅に降りた瞬間、ホシ(犯人)の生い立ちや学生時代の面影をその街の中で探す」(田川信一刑事)



「逆手持ち」「モツ煮」「豪勢な宿」「ベンツ」のキーワードの共通点とは!?なるほど!そうだったのかあ!深いなあ。読ませるなあ。オススメです。(・∀・)



  


震える牛 (小学館文庫)