またまた私の好きな地理の本、そして浅井建爾さんの本。どの本も、何度読んでもオモシロイ!(・∀・)
日本の地名に関わるエピソードと歴史や自然にかかわるミステリーとロマン。我が国のことを案外しらなかったりするからねえ。そのエッセンスを紹介しましょう。(・∀・)
・大宝律令が制定された律令国家の成立の頃、天皇の居所を「宮城(きゅうじょう)」といい、これに官人や民衆の居所を合わせた区域を「都城(とじょう)」という。都城を取り囲む地域が「畿内」で、中央と地方を結ぶ幹線道(駅路)に沿って七道に区分された。これが五畿七道の始まりである、五畿七道はさらに国、郡、里に細分化され、中央から地方の末端まで体系的な行政組織を編成した。各国には「国府」が置かれ、中央から派遣された国司が赴任し、郡には地方豪族から郡司が任命された。古代の首都圏である畿内に対して、その周辺地域は「畿外」といわれ、畿内を軍事的に防衛する役割を担ってきた。その畿外が、いつしか「畿内に近い地域」という意味から「近畿」と呼ばれるようになった。
・山形は「山方」すなわち奥羽山脈のほうにある土地という意味。群馬はかつての県庁所在地の高崎が属していた群馬郡から。この地の豪族、車持君(くるまもちのきみ)にちなみ「車」が「群馬」に転訛した。前橋は戦国時代の「厩橋」から転訛。
・栃木は古くは「橡木」と書き、この地域にトチの木が多く茂っていたことから、宇都宮の地名の由来は、市内にある二荒山神社の別名を現宮(うつのみや)から、あるいは下野国の「一の宮」から転訛。日光は「二荒」を弘法大師が音読みし「日光」の文字を当てたというのが定説。
・伊勢は、磯がイセに転訛。志摩は古くは「島」と書かれていた。三重は日本武尊が東征の折、この地に着いたとき、足が三重に曲がるほど疲れていたという伝説から、または「水辺(みえ)」の転訛説も。沖縄の語源は、沖魚場(おきなは=沖の漁場)という説、那覇の語源も魚場(なは)とする説が定説。
その他、「改称された市名、1日で消滅した市名」「地名はなぜそんなに「中央」に憧れる?」「同音異字体の市が7組も誕生した」「どうして「前後」「上下」のつく国名が多いのか?」「アイヌ語由来の多い北海道の地名」「1889(明治22)年の日本ではじめての「市」のスターティングメンバーは31市」「三多摩が東京へ移管された本当の理由は?」「今後は生まれそうもない?開拓功労者の名を冠した地名」「紛らわしい上越線と上越新幹線」「私鉄にも路線名と営業線区が合致しない鉄道がある」「意味不明な路線には造語が多い?」など。
この本をもって全国旅したいねえ。オススメです。(・∀・)