「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「透明な力 不世出の武術家 佐川幸義」(木村達雄)

 


透明な力―不世出の武術家 佐川幸義 (文春文庫)


私は格闘技、武道、武術はやらないのだが、大好きである。やっぱり男として強いものに憧れるんだなあ!(・∀・)


さて、この本。知りませんでした、伝説の武術家、佐川幸義氏。「90歳を過ぎた小さな老人の襟に、空手や剣道や柔道などの高段者たちが触れただけで、一瞬のうちに何メートルも吹き飛ばされてしまう―魔法のような武道を操る唯一人の男、「大東流合気武術」師範の佐川幸義。その佐川師範の生涯と語録を、大東流奥伝四段の著者がまとめ、佐川師範が内容を認めた唯一の書」そのエッセンスを紹介しよう。



先生は92歳の現在、「退院した頃と比べて今は技がすっかり違ってきて、比べものにならないくらい進歩してきた。常に考え続けているからだ」と言われる。確かに、飛ばされ方が違ってきている。効果が更にすぼくなってきているのだ。


・合気はおそらく武田惣角先生によって発見され、佐川先生は17歳のときに、その原理を見抜き長い間をかけて大きく発展させてきた、しかし、あまりの難しさのため、この二人以外は今まで誰もできなかったと思われる。少なくとも筆者自身は佐川先生以外に合気ができる人にあったことはない


合気とは相手を無力化する技術であると初めて明言したのは佐川先生である。合気が分かったら、どんな者に対しても力を使わずにできる、力が強いものはやりにくいというのは合気ではない。合気は目の付け所が違う。発想がまるで違うのだ。努力すればできるというものではない。


合気は集中力とか、透明な力というよな、いわゆる力とは違うものである。合気は敵の力を抜いてしまう技術だからである。そのうえくっつけて離れないようにもしてしまうのだから大変なことである。


合気が分かってから本当の修行が始まるのだ。長い間の持続した鍛錬と研究の結果、少しずつできるようになってくるものだ。私は70歳の頃になって一瞬でとばしてしまう新しい合気を発見した。多人数掛けでもこの合気があると何人でも一度にふっ飛ばしてしまうことができる。


・しかし、人間はつくづく一生修行だと思う。この年(90歳)になっても合気で「ああ、こういうことか」とふっと気づくことがある。そして、どうしてこんな簡単なことに気づかなかったのだろうと思う。


合気は技術であるから、年とともにうまくなっていくが、時間もまたかかるのです。長い時間をかけてやるものなのです。本当に合気が出来るようになるためには、血のにじむような死にものぐるいの修行がいる。中途半端にできるようになるのは簡単だが。合気が別れば、力とか年齢とかを乗り越えられるのだ。


教わった事はその時に何としても覚えてしまおうという気持ちが大切だ。明日があると思ってはいけない。今度の練習の時に覚えれば良いとか明日やれば良いという考えではいつまでたっても覚えられない。今やらなければという気持ちでやるのだ。いつかではだめだ。だいたい私はもしできなかったら徹夜しても考えるからね。あんたらは考えないでしょう。できなかった原因はどうしてとかね。そして考えていると色々と自分の考えというものもでてくるのですよ。


私は肩に力を入れずに出す透明な力を使っている。(実際に受けてみるとレーザー光線のように一本の線のように集中した力である。しかもすごく澄んでいてまさに透明な感じがする。筆者は佐川先生以外にこのような力を出せる人には今まで全く会ったことがない)


残念ながら、写真は残っているのだが、映像が残っていないんだよね。でも写真でもそのスゴさは伝わってくる。この伝説的な技は消えてなくなってしまったのだろうか…。オススメです。(・∀・)!


 


透明な力―不世出の武術家 佐川幸義 (文春文庫)