「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜ゲゲゲのゲ!…『本日の水木さん』(水木しげる)

手塚治虫先生亡き後、今、もっとも有名な漫画家は、おそらく「ゲゲゲの鬼太郎の作者、水木しげる氏だろう。(^^♪

ご存知のように、妖怪研究の大家である水木しげる氏は戦争中に、激戦地ラバウルで左腕を失う。貸本漫画家を経て漫画家になり現在88歳。この本は氏の名言を366日分集めた名言集。この中にはこの迷える時代を生き抜くヒントが隠されているのだ。そのエッセンスを紹介しよう。 


私は人生が面白いのは八十歳ぐらいまでのような気がする。八十歳をすぎるとどうしたわけか、大好きな死のにおいがしてきて、なんとなく笑うのも八分目ぐらいになる。歳をとって幸福になったなどというのは、六、七十歳ぐらいまでの話で、八十歳をすぎるとなんでも平気な感じになってくる。鈍感になったせいというより、バカバカしいことを気にしなくなるわけだ。したがって、大げさにいうと、いまは「至福の状態」にある。


・ある日、(爆弾で)切った腕からかすかに赤ん坊の匂いがする。なんだか生命が底のほうからわきあがってくる匂いだった。ぼくはなんとなく希望がわいた。すなわち生きられるかもしれないという安心感だった。ぼくは毎日赤ん坊の匂いをかぐのを楽しみにしていた。それは天の香りだった


一日に何回か、意識がなくなる感じになる。無のような感じです。キモチイイです。だから、本当の幸せは、ボケるようにならんと手に入らないのかもしらんね(大笑)。


・(マレーシアで精霊像を大量に入手したときに)自然というのは人間に快感を与えることで、人間を動かすんです。私もねえ、妖怪を集めると快感を感じるわけですよ。そうねえ、ちょうど長年たまっていたクソが出るような感じですよ。しかしこういうことに家内や娘は反対するわけです。


・わたしゃ、あんた、ベビイのころから哲学者でしたよ。死について深く考えて、実験しようと思ったくらいですからね。弟を高いところから突き落として、死ぬっていうのはどういうことか実験しようとした、ハハハハ。


『驚くべき記憶力と、驚くべき忘却力が同居する』水木しげるについて、『週間SPA!』がつけたコピー)


アボリジニは、文字がないせいか絵ばかり描いている。木の皮(樹皮)に描くが、木の皮がないと大地に描く。それ以外は寝ている。すなわち寝ることと絵が大好きらしい。…ということは、私によく似ているということだ。こういう、「なまけ種族」はどうしてできたのだろう。


人間は寝ることによってかなりの病が治る。私は「睡眠力」によって傷とか病気を密かに治し、今日まで無病である。私は睡眠力は幸福力ではないか、と思っている。


虫とか草とかが吐く言葉は、地球の言葉なんです。


・(日本の自殺者が昨年過去最高になったが、とたずねられて)
それはそれでいいんですよ。別に悲しいことじゃないです。希望してやってるわけですから。自殺できるってことはね、ある意味、ぜいたくなんですよ。


・(アボリジニに、「人が死んだらどうなるか」と聞かれて)
無に入るにではなく、未知の状態に入る。それは、人が生まれて、一歳か二歳の頃の、生きていると気づく前の状態です。


・人間はいろんなものを食べますが、死ねば大地に食べられるわけですよ


ん〜…、深イイ!含蓄深いなあ…。壮絶な人生だね…。(^_^;)