この本は、あの名著!「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい」の第2弾。具体的な漢字を挙げながら、その古代文字の形、イラストを使って、漢字の体系を分かりやすく紹介。 きちんと体系を知れば、漢字は次から次へと自然に頭に入ってくる。漢字なんて、ちっとも怖くない! でも、漢字に隠された本当はこわーい成り立ちと意味。この怖さを知ったら、漢字は絶対忘れない。そのエッセンスを紹介しよう。
・漢字のルーツであり甲骨文字や青銅器に鋳込んだ金文などの古代文字の精密な研究から、中国にもない新しい体系的な漢字学をつくりあげて、文化勲章を受けたのが白川静さんです。その白川静さんから、漢字とその体系について直接教えてもらった「白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい」の続編です。その漢字のつながりを通じて、古代中国の人たちが、自分たちが生きている社会や自然、宇宙をどのように考え、捉えていたのかということを明らかにしたのが、白川静さんの漢字学です。
・「怖い漢字」を楽しんでいただけたらと思います。そこに驚くべき漢字の世界が、再び広がっています。そして。古代中国の人たちと現代日本人が漢字を通してしっかりつながっていることや、古代人がわれわれの中にも生きていることがわかるはずです。「目から鱗が落ちる」というのは、そのことの発見でえもあると思います。
【王】
「王」は、大きな鉞(まさかり)の頭部の刃の形をしています。柄のついた鉞全体を「戉(えつ)」といいますが、その刃の部分を下にして置く字形です。「王」は武器としてではなく、王位を示すシンボルとして、王座の前に置かれました。これが王位を象徴するゆえに「オウ、きみ」の意味となったのです。ですから「王」の関連した漢字には、王座の前に置かれた戉の部分が持つ強い霊力と関連した意味のものが多いのです。
【往】は王位の象徴である戉の頭部の刃の上に足を添えている形。王の命令で旅に出るときに、王位の象徴である戉の刃の上に足を乗せる儀式をあらわした文字なのです。そうやって、戉の刃の霊力、威力を身につけて旅に出発したのです。そこから「ゆく」という意味になりました。
【狂】は、その戉の刃の上に足を乗せている姿の文字です。これは、その戉の刃によって異常な霊力が与えられ。動物のように「くるう」ことをあらわす文字です。なお「くるう」という日本語は、犬などが自分の尻尾を追いかけて「くるくる回転する」というときの「くるくる」と同じ言葉です。「くる」という日本の言葉が「回転すること」または「回転するもの」という意味に使われている言葉をもう一つ挙げれば「くるま(車)」がそうです。
はあ〜……やっぱり漢字は深イイなあ…。ぜひ読むべし!読むべし!オススメです。(・o・)