「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「漢字の気持ち」(高橋政巳・伊東ひとみ)

またまた漢字の本。「漢字は、人々の思いを背負っている。祈りや愛情、思考や哲学、悩みや苦しみなど、人間の心のありようが凝縮されている―古代から脈々と続く漢字の心象に魅かれた書家・刻字家高橋政巳が、語源を遡り、百余の漢字を筆書きしながら、古代の中国や日本人の心と姿を明らかにする。「恋」と「変」はどう違う?名前の漢字の由来は?漢字の奥深さと楽しさに溢れたユニークな漢字読本」そのエッセンスを紹介しよう。


【響】


「響」は「郷+音」で成り立っています。「郷」は「さと」「ふるさと」「いなか」の意味合いで使うことがほとんどですが、もともとは「ごちそう+向かい合った人」が語源。そうした「郷」に「音」プラスされたのが「郷」。ごちそうが置かれたテーブルをはさんだ人同士が、「ああだ、こうだ」と会話(=音)と交わしながら楽しく食事をしている情景を表しています。そこから音だけでなく「心が伝わる」という意味合いが含まれます。だから「胸に響く言葉」といえば、心に染み入って感銘を与えるという意味になるわけです。


【希】


もともとは、この字はしっかり織られた布に由来しています。古代漢字の上部はしっかりと編み込まれた網目を、下部は棒に干されているさまを表現しているのです。しっかり織られて目が詰んだ布には隙間はほとんどなく向こう側が透けて見えたりもしません。折り目がきっちりしていて隙間はまれ。そこから「希」という字には、「まれ」という意味が込められています。それでもどうしても向こうを見ようとする、そのせつなく願う気持ちが「希望」なのです。


【戀】


「恋」の旧字は「戀」。本来の語源は、「言葉が糸に絡まったようになかなか出てこない、せつなくてもどかしい心」を表したものです。そしてそんなふたつの糸の間に「言」がはさまっているさまは、言葉が乱れた糸にがんじがらめになっているイメージを彷彿させます。この古代文字を見ていると、胸が締めつけられるようなせつない恋心がひしひしと伝わってくるようです。


【色】


女性の上に男性が乗っかっているさまがはっきりと見てとれるはずです。なんと「色」という字は、ずばり男女の相交わる姿を表していたのです。そのため「男女の交合・情愛」、転じて、相交わるときの高揚した感情が顔の色や表情に表れるので「顔色」の意味とされました。


【私】


「禾」は穀物、「ム」は自分の取り分を抱え込むさまを表します。そこから収穫した穀物を細分して自分の取り分を抱え込むことを意味し、「わたくし」「自分ひとり」のことを指します。一人称の代名詞であるほか、さらに「自分の一人の利」「勝手な考え」「自分だけのものにする」「内緒」をも意味します。


その他、「相」=樹木と向き合ってエネルギーをもらう、「偽」に秘められた悲しい象の物語、「謝」=言葉に表して心の負担をおろす、「舞」=舞い始める直前、その一瞬が「無」の境地、「月」=窓から差し込む月あかり、「彦」がつく名前は美男の証?など。


漢字って深イイねえ。オススメです。(・∀・)!