著者の宮崎康平さんのことはまっさん(さだまさし)の本やトークで聞いていた。あれから数十年、ようやく読むことができました。すごいっ!グイグイ惹き込まれる!邪馬台国の正体はこれだったのかー!!!
・もともと記紀が編纂されたころまでは、 日本にはまだ文字がなかった時代である。 ところが万葉仮名で書き留められていたはずの帝紀や旧辞の内容が 、書紀や古事記の編纂に当たって、 部分的に表意文字に書き改められている。 そのため内容がまちがって解釈されているのではなかろうか。 私は記紀の文章は本質的には表音文字としてあつかうべきものだと 考えたのである。
・つまり目が見える人には記紀は1200年のへだたりがある。 失明したいまの私は、 どんなにおがいても自ら読むことができない。もとより、 点字の古事記や魏志倭人伝があるわけはない。 読んでもらって耳で聞く。音(おん)に頼るほかはないのである。 だた耳で聞いて覚えるということは、 稗田阿礼とも対座できるということなのだ。そうだ、 失明は古代のナゾを解くために、 天が私に与えた試練ではなかったのか。と考えたとき「邪馬臺国」 の四字は、ふたたび太陽のように暗黒の私の視界に輝きはじめた。
・記紀文中の文字には、音だけとればことたりる、 文字の意味にはなんら関係のない漢字が、 わざと読者にまちがって解釈されるように、 ある目的のためにたくみに意味を含ませて用いられた個所が多い。 そのため、記紀の大半の内容が誤解され、 特に神話の中でも重要な位置を占める豊葦原水(瑞) 穂国と葦原中国(あしはらのなかつくに)までが混同された、 邪馬台国分裂後における古代の荷台王朝対立の歴史が抹殺されてい るのである。
これは、鈍行電車で旅でもしながらゆっくりじっくり繰り返して読む本だね。超オススメです!(・∀・)