「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

MESSAGE〜「サンドイッチマン〜外国人選手の身体の一部」


先日紹介した、この本、「ニッポン野球は永久に不滅です」ロバート・ホワイティング)で、最もオモシロカッたのは、プロ野球界の「通訳」についての記述だ。このコトを知ると野球がますます面白くなる。そのエッセンスを紹介しよう。


日本の野球界で恐らく一番つらい仕事をしている人々。安月給でオーバーワーク。それでも人から全くといっていいほど認めてもらえない……彼らは人呼んで「通訳」。と言っても、ただ漫然と情報を翻訳し相手に伝えるだけでいいというものじゃない。野球界の通訳は何でも屋。ガイジンの失敗も成功もその腕次第なのだ。「通訳は外人選手の身体の一部」とはよく言った。


「練習が長すぎるとか、コーチが口出ししすぎるとか、監督にけなされたとか、そういうアメリカ人の不平不満を聞いてやらなくちゃならないんだ。時には彼の心理学者、アドバイザー、時には友達…。精神的な悩みがあったら、とてもプレーどころじゃないからね。彼をハッピーにしてやること、うまくいくように手助けすること、それが僕の役目なんだと思っている」


とても難しい仕事ですね。割の合わない仕事です。アメリカ人であろうと日本人であろうと、誰も通訳をほめてはくれません。『よくやったな』といってくれる人がいないのは、この仕事の大変さが誰にもわからないからですよ。簡単に見えるんでしょうね。


通訳として最悪の役目は契約交渉です。延々3時間にわたる交渉で精も根も尽き果てる。その間ずっと自分の感情を殺しているわけですから、まるで死人になったような気分ですよ。自分としてはアメリカ人の希望をかなえてやりたい。ところがあまり強く押すと、フロントの方が僕をおもしろっく思わない。結局誰一人として満足する者なんかいないんです…通訳は批判されるのが宿命。そういうもんなですよ。


僕はメンタルな領域を担当するトレーニングコーチなんだと自認してます。気落ちしていたら僕が元気づけてやる。外野のランニングをしぶったら、僕も一緒に走る。そうすればちょっとはよけいに走ってくれますからね。


【試合後のインタビュー】


レポーター「そちらのガイジンがホームランを打ったときのボールは何でしたか?」
(通訳「今晩試合が終わってからデートでもある?」)


ガイジン選手「いや、今晩はないよ。ビールでも飲もうや」
(通訳「きれのよくない、内角高めのカーブでした」)


レポーター「今年はあと何本ぐらい打てると思いますか」
(通訳「明日は雨みたいだね」)


ガイジン選手「降らないでくれよ。なにしろこの頃当たってきてるからな」
(通訳「個人的な目標は考えてません。チームの勝利が最優先ですからね。ただ全力を尽くすのみです」)


レポーター「何で5回にエラーしちゃったんでしょうね」
(通訳「また例のエラーのこと聞きたいってさ」)


ガイジン選手「またかい?くそ!答えられる質問かよ。大失敗しただけのことじゃないか」
(通訳「瞬間的にボールが照明に入っちゃったもんで」)


監督「お前は月給泥棒だな。切符を買っといてやったぞ。荷物をまとめてさっさとアメリカへ帰ったらどうだ」
(通訳「監督は、君のバッティングがよくなることを願っている)


試合直後のインタビューで、


レポーター「どんなお気持ちですか?」

ガイジン選手「そうだなぁ、実をいうとよぉ、勝ったか負けたかなんて俺にはどーでもいいんだわさ。早いとこ試合を終わらせて、さっさと家に帰って寝たかったなぁ」


(通訳「僕は一生懸命やりました!勝てて本当によかったと思っています」)


いや〜〜オモシロイ!まさにサンドウィッチマンなんだねえ。オススメです。(・o・)