「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「ラプラスの魔女」(東野圭吾)

全作品を読破しているミステリーの巨匠・東野圭吾氏。作家デビュー30年、80作目の到達点のこの最新作は、最高傑作かもしれない!

氏みずから語る「これまでの私の小説をぶっ壊してみたかった。そしたらこんな作品ができました」


「円華という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾は、行動を共にするにつれ彼女には不思議な《力》が備わっているのではと、疑いはじめる。同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証に赴いた地球化学の研究者・青江は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する――。価値観をくつがえされる衝撃。物語に翻弄される興奮」そのエッセンスを紹介しよう。


真実?おかしなことをいうじゃないか。では訊くが真実とは何だ。誰が判定する?結局のところ、記録されたものがすべてじゃないのか。記録され、人々に認識された時、それは真実となる。この廃墟を見ろ。この建物にはどんな真実が有る?過去に何が起きたにせよ、誰にも知られずに消え去ったことは、真実とはいえないんだ。そういう意味で大多数の凡庸な人間たちは、何の真実も残さずに消えていく。


・あなたはたくさんの間違いを犯しているけれど、最大の間違いを指摘しておく。大多数の凡庸な人間たちは、何の真実も残さずに消えていく、生まれてこなくても、この世界には何の影響もないーさっき、あなたはそういった。だけど違う。世界は一部の天才は、あなたのような狂った人間たちだけに動かされているんじゃない。一見何の変哲もなく、価値もなさそうな人々こそが重要な構成要素だ。人間は原子だ。一つ一つは凡庸で、無自覚に生きているだけだとしても、集合体となった時、劇的な物理法則を実現していく。この世に存在意義のない個体などはない。ただの一つとして。


・忘れろ。所詮、俺たちは駒だ。しかも、歩だ。世の中を動かしているのは、もっともっと上の存在なんだ。歩は、何も考えずに、一つ一つ前に進んでいくしかない。ほかのことは考えなくていい。


竜巻と自然災害、予言と予測、親子殺人、年の差婚、温泉地の立ち入り禁止、医学の進歩、ブログ、真実と虚偽、…など、読み進むたびに「どんでん返し」が重なる…。うーん、確かに翻弄されたなあ…。一気読み必至。超オススメです。(・∀・)