今年のペナントレースで好調の横浜ベイスターズ。その昔、破天荒なトンデモない選手がいた!
「谷繁元信をキレさせ、三浦大輔を運転手代わりに使って、小宮山悟を巴投げ、編成担当の名刺は丸めて投げ捨てる…」こんな破天荒なプロ野球選手(現モツ鍋屋店主)、見たことない!
ファンはもちろん多くのプロ野球関係者(球団フロント以外)から、今も愛される「不器用で真っすぐな男(小宮山悟氏談)」こと、
中野渡進氏の波瀾万丈すぎる自伝。そのエッセンスを紹介しよう。
・クソだ。子供の頃から憧れていたプロ野球の世界も、大概がクソだと薄々気づいていはいたが、ここにきて、まさかの大グソに遭遇するとは思わなかった。俺が、クビだと。なんで俺がクビになる?まだ4年目が終わったばかりじゃねぇか。2年間には木塚とともに連日連投で中継ぎの台所を支える結果を残した。去年は連投が祟って右肘を手術したが、死ぬぐれぇのリハビリを経て復帰勝利も揚げ、やっと、これからって時だったじゃねえか…。
・そりゃ、確かに筋が通らねえことがあれば、球団にも監督やコーチにもガンガン文句を言ってきた。球団社長に「グラウンドに金が落ちてるって、結局、持ってるのはテメェらじゃねえか」なんて啖呵を切ったこともあれば、「ヒゲを剃ってきなさい」とやかましい森監督に「ヒゲ剃って150キロ出るなら、ピカピカにしてきますよ!」なんて言い放って、騙させたこともある。ほかにも先輩や同僚、監督、コーチに球団のお偉いさん、どんなヤツにだって……。世間じゃ「口は災いの元」なんて格言を言うのだろうが、俺の場合はちょっと違う。「元」なんてもんじゃねぇ。「口は災いだ」。
・小学2年生で野球のボールを握って以来、初めて「練習をしなくていい」という環境に身を置いた。「野球がない」ということが俺にとって、どういうことか。この時、初めてわかったような気がする。調子が悪い、投げられないっていうのはならまだマシだ。調子がいいのに使われない、いわゆる生殺しの目にあうほど、野球選手にとってクソなことはない。
・通算4年で78試合6勝1敗。防御率3.81。もともとプロ野球に入れたこと自体が奇跡みたいなもん。27歳でプロ野球を引退した俺は、ここで終われたことが幸せだったのかもしれない。いや、たった4年でも燃え尽きたと思うことができ、多くの人たちと繋がりを持てたのだから、間違いなく幸せだったと言えるだろう。
・俺が現役時代、最も恐怖を感じたもの。それは、松井さんや清原さんなんて強打者じゃねぇ。マスク越しにすげぇ顔で睨んでくる谷繁さんだ。変なボールを投げると試合中でもなんでも「……コラ、テメェ」って、めちゃくちゃ威嚇してくる。たまにタイムを取ってきた時なんか、もうホラー映画並みだ。「怖ぇよ、来んなよ。審判もタイムなんか取ってんじゃねぇ〜」なんって、ビビりまくっていた。
「もつ鍋わたり」は閉店しちゃったみたいだねえ。行きたかったなあ。やっぱりプロ野球選手ってスゴイなあ。オススメです。(・∀・)