「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「少しだけ、無理して生きる」(城山三郎)

ビジネス小説の第一人者・城山三郎氏。この本は、薄いけど、中身は厚いよー!あまりに面白すぎて、フセンだらけになってしまった…。氏の小説の主人公を中心に、小説とは違った人間像を語る。真の人間の魅力とは何か。そのエッセンスを紹介しよう。



渋沢栄一は、晩年に至るまで、いつも自分の目の前にいる人に心のすべてを傾けて応対した。どんな時でも、どんな人に対しても同じ態度だった。つまり全身が受信機の塊だったわけです。これが、なんでもない農村の一少年を日本最大の経済人にした大きな秘密でした。渋沢は勉強をし、吸収をし、提案をし、それを実にみごとにやってのけた。


・逆境の中で初心を失わなかった中国人・王蒙(おうもう)さんという文化相に会いました。若くして人気作家になったのですが、文革のときに砂漠の中の町に流されまして、20年ものあいだ、作家活動を停止させられた。王さん曰く「20年間、発表はできなかったけれど、作品を書いてはいました。先行きはどうなるかまったくわからなかった。わからなかったから、自分は何かやっているより仕方がないと思ってた。先のことがわからないからこそ、何かしていなくてはいけないと思った」


一橋大学の先輩作家・伊藤整文學界新人賞の選考会で「あなたはこれから先、プロの作家としてやっていくのだから、いつも自分を少しだけ無理な状態の中に置くようにしなさい」夏目漱石の『文学論』に作家にとってのインスピレーションというのは人工的インスピレーションだ、とある。つまり、ぼんやり待っていたら何かがパッとひらめいたじゃなくて、インスピレーションは自分で作り出すものだ。だからインスピレーションを生み出すように絶えず努力しなくてはならない。自然な状態で待っていてはダメなんです。負荷をかけるというか、無理をしなくてはいけない。少しだけ無理をしてみる。これは作家に限らず、あらゆる仕事に通用するテーゼじゃないでしょうか。


他に、広田弘毅中原誠田中正造のエピソードは特に感動だね。さあ、少しだけ無理して生きよう!オススメです。(・∀・)