- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 単行本
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (37件) を見る
その彼いわくおそらく最後になるだろうとうエッセイ集がこの本。面白いよ〜!
・いくつかの夢の中から小説家を選んだのには、会社生活を続けながらチャレンジできるとということが大きかった。趣味で小説を書こうとはまるで思わなかった。書く限りはプロを目指す気だった。コクヨの原稿用紙にいきなり書き始めるという無謀なやり方で、その夏から書き始めた。率直に言うと「絶対に乱歩賞を獲ってやる」という意気込みはなかった。とにかくチャレンジすることが大事だった。何もしないで夢をあきらめるようなことだけはしんたくなかった。5年間という期限を設けた。それだけやってだめなら、自分には才能がないとすっぱりと割り切り、今度こそ優秀なエンジニアを目指そうと考えていた。
なるほど!これはウチ(SA)でいうところの『終わる時間を決めるトレーニング』だね。(^◇^)これは彼が習っている陶芸にも共通点があるようだ。
・まあ陶芸を始めて一日二日で何かを作ろうというのは、土台無理な相談です。特に、ろくろは素人の手におえるものじゃありません。ふつう最低一年ぐらいは修業を積んでもらわないと、まともなものはできません。ともかく練習あるのみです。(東京芸術大学 島田文雄先生。)
そして、エンジニアとして過ごした5年間のサラリーマン時代が作家としてとても役立っているという。
・私は五年間、特殊なカルチャースクールに通っていたのだ、と考えることにしている。私は多くのことを、あの巨大な組織の中に身を置くことで学んだ。気が合っているわけでもなく、共通の趣味や楽しみがあるわけでもな複数の人間たちと、毎日のように顔を合わせ、協力し合って仕事をこなしていくという日常は、人間関係と社会生活というタイトルでレポートをかけるほどの知識を私に授けてくれた。
新人諸君、どうか会社で多くのものを学んでください。たぶんそこには、一生かかっても学びきれないほどの教材が転がっています。しかもこのカルチャースクールはお金がもらえるんだから最高じゃないですか。
ハア〜!いいなあこの解釈!そのとおりだね。そして自分の書くミステリーや推理小説についてはこう分析している。
・人間には「騙されたい」という欲求があるのではないか。やはり皆ある程度の刺激を欲しているということだろう。「程良い嘘」は、平凡な毎日を少しリフレッシュさせるスパイスになるのかもしれない。
そうだよね!夢と希望と可能性を描かせてくれるようなフィクションなら騙されてもいいよね!
なによりも、一番面白かったのは、2ページにわたる『カップ焼きそばの極意』。ここまで深く、くだらなく、カップ焼きそばを分析し書き下ろした文章は見たことはない。サイコー!その他、年譜、自作解説、映画化、思い出、好きなもの、スポーツ、作家の日々を綴る。気軽に読めるんだけど、深い本。おススメ!(^_-)-☆
BOOK〜もし人生やり直しが出来たら?…『秘密』(東野圭吾)
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20070610
BOOK〜東野圭吾の最高傑作!!…『流星の絆』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20080730
BOOK〜無償の愛に涙が止まらない…『容疑者Xの献身』
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20070510