「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「野球王 タイ・カップ自伝」(タイ・カップ)

メジャー・リーグで4000本安打を達成したのは、ピート・ローズ(4256本)タイ・カップ(4191本)だけだ。早ければ今年、イチローはその記録を更新する!(5月20日現在4151本)。


さて、野球王と呼ばれたタイ・カップ。自伝があると聞いて早速読んでみました。「最高の技術と最低の人格」「メジャーリーグ史上、最も偉大かつ最も嫌われた選手」とも評されたタイ・カップ。さてその真実は?そのエッセンスを紹介しよう。


タイ・カップは、あらゆる点から考えて、現在までに現れた最高のプレーヤーであり最も貴重な財産である
アメリカン・リーグ首位打者 12回(9回連続を含む)
終身打率 三割六分七厘(4割3回、最高打率 .420)
最多安打数 4191本
最多出場数 3033試合
最多得点数 2234
打点数 1901点(彼の初めての二年間に関しては、打点の記録が残っていないにもかかわらず)
最多塁打数 5863(ベーブ・ルースは5793)
最多盗塁数 1シーズン96 通算 892


・彼の球歴の大部分は、非常に「飛ばない」ボールの時代であり、さらに投手は、今日とは比較にならぬほど自由に変速投球をおこなうことができたということを考えてもらいたい。スピット・ボール、ダイヤモンド・ボールなど現在では禁止されているさまざまの変化球が使われていたのである。


タイ・カップのようなプレーヤーは今後決して現れないであろう。なぜならば、彼がスタートして活躍した頃の野球様式ーそこでは、技術とスピードと知性とが大いにものをいったーが、二度と再び陽の目をみることはあるまいからだ。現代は、強打が歓迎され、強打者が大金をとる野球の時代である。ベース・ランニングは今日の野球からほとんど姿を消してしまった。


私はのけ者にされたおかげで、「考える」時間を得たのである。食事も一人、室も一人、散歩も一人だった。私の頭の中は野球のことしかなかった。


・初めてバットを握った時から、私は両手を2、3インチあける握り方をしていたように思う。このグリップは、後に注目の的になり、バッティング開眼に役立つことになった。



・私たちの時代は、バッティング・ゲージも、フォームを記録する映写機も、ピッチング・マシンも、コーチしてくれる専門家も、総合ビタミン剤、法律上の保護もなかった。パンケーキ型グローブをはめ、洗濯板のような球場でボールを追い、汽車の寝台のきゅうくつな上段によじ登って、長い長い道中を、ガタゴト揺られて行ったものだ。また講演会、広告、特別ボーナスの出る仕事、テレビ出演、サイン会のようなアルバイトの口はいっさいなかった。だから、われわれは、プレーヤーとして、全イニングに、持てる能力を100パーセント発揮することだけに専念したのである。


バッティングで最も重要なのは、腕でも手でも肩でもなくて、実に足なのだということだ。高打率をあげる大きな秘密の一つは、自然に引っ張る力とは反対の方向に打つ能力である。生涯に放った4191安打のうち72パーセント強が単打で、.367という平均打率はまったくこれによるのである。


・最後の勝利者となる者は、他より一歩進んだ態勢を整えていかなければならない。それには一にも練習、二にも練習である。不断の練習によって、ゲームの基本をすっかり身につけ、これをまったく自然に、かつ本能的に使いこなせるまでにならなくてはならぬ。生まれながらの天才バッターなどがいるものでない。最も重要なのは、注意力の集中ということだ。


若者たちよ、この偉大なスポーツの失われた技術をマスターすべく努力するときは今だ。諸君が今それに取りかからなければ、そのかみのプレーヤーがつぎつぎと世を去るにつれて、輝かしい技術は永遠に消え去ってしまうであろう


その他、「失われし技術ーバッティング」「秘中の秘ー敵を自壊させる方法・走塁面での挑戦」「ベーブ・ルースの思い出」など。


やっぱり「信じるな、疑うな、確かめろ!」だね。偉大なタイ・カップに近づこうとしているイチローと同じ時代を生きている奇跡に感謝。オススメです。(・∀・)