「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「スエロは洞窟で暮らすことにした」(マーク・サンディーン)



いや〜スゴイ本である。「お金は幻想である―― にせものの人生は、もうたくさんだ。10年以上一切のお金をかせぐことも、受け取ることも、使うこともせず、アメリカ・ユタ州モアブの洞窟で暮らす男、ダ ニエル・スエロ。彼が、うつ病や海外放浪を経て、ゲイである自分を受け入れ、何も持たない生き方を選ぶことで自由と心の平安を得るまでの軌跡を描き出した !」そのエッセンスを紹介しよう。


・21世紀の最初の年、アメリカ中央部の幹線道路わきに立っていた男が、ポケットから全財産お30ドルを引っ張りだすと、電話ボックスの中に置いて歩み去った。年は39。きちんとした家庭に育ち、大学を出ている。精神を病んでいるのでも、麻薬中毒でもない。分別ある大人の自由意志による選択らしい。それ以来12年間、ダニエル・スエロは1ドルのカネもかせげず、受け取らず、使っていない。橋の下で眠り、ゴミ箱をあさるこの男は、しかし、いわゆる浮浪者ではない。物乞いはしないし、しょっちゅうー報酬を受け取らずにー働いている。


「まったくお金がなくたって生きられますよ」スエロはそう断言する。「しかも豊かに」


・彼はずっと前から言い続けてきた。お金は幻想である、と。「うんざりしたんだ。世界中に蔓延する“お金”という名の信仰。それを本物扱いすることに。にせものの人生は、もうたくさんだ」


・スエロによれば、「この社会全体が、お金を持たざるをえないしくみにできている。誰もがいやおうなく資本主義のシステムに組みこまれてしまう。システムの外で生きようとすると法律違反になるんだ。公共の土地においてさえ、お金のない者は歓迎されない。連邦政府の土地で企業が採鉱や油田開発をおこなうことは許されても、市民が小屋を建てることは禁じられている」


・ただしスエロは、無償で与えられる厚意ならばありがたく受け取る。自分の持っているものを見かえりを期待せず無償で与え、他人から無償で与えられるものを負い目を感じることなく受け取る。それが彼の基本姿勢だ。峡谷の暮らし自体はのどかなものである。気温が上がれば、小川へ水浴びに。町へ行く気が起きないときは、たくわえの食料と周囲でとれる野草類で一週間以上やっていける。


スゴイ…今年最大の奇書かも。オススメです。(・∀・)