「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「行為の意味 思春期前期のきみたちに」(宮澤章二)

「思いは見えないけれど、思いやりは見える」が、ACジャパンの2010年度キャンペーンCMに使用されたことで有名な宮澤章二氏。この詩集は、著者が中学生に向けて書き続けたもの。さりげないメッセージが心を打つ。その中でも特に響いた歌を紹介しよう。


【ぞうきんのうた】


水洗いされた ぞうきんは
あちらこちらのよごれを
ふき取り ふき取り
自分は いつも 真っ黒になる


相手の よごれを
自分のよごれにすることで 浄め
冷たい水で洗われつづけ
自分は ぼろぼろになってゆく


ぞうきんの痛みが指さきに伝わる 冬
小春日の暖かさがとてもうれしい 冬


ぼろぼろの姿で干されても
日ざしにかわく ぞうきんの顔は
なぜか満ち足りて ほっかりとして
小鳥のような体温が 柔らかい


【生存する風景】


わたしは 一本の樹木である
ー永遠に近い生命が ながれている
わたしは 一塊の岩石である
ー永遠に近い時間が 凝縮している


〈ひとは はかないもの〉という思いを
太古から持ちつづけた 人間の歴史
その思いを ちょっと変えてみないか


自分は一本の樹木 と思ってみないか
自分は一塊の岩石 と思ってみないか
永遠に近い生命と 永遠に近い時間を
私はこの身に持つ と思ってみないか


すると 自己の生存する風景は一変し
半目も 争いも へんな突っ張りも
ばかげて全く小さな事 に見えて来る



【地球よ】


地球よ
だいじな だいじな 地球よ
おまえが もう 年寄りなら
明るいおじいさんのように
やさしいおばあさんのように
無理をしなくてよいから
できるだけ ゆっくりと
なが生きしておくれ


地球よ
だいじな だいじな 地球よ
おまえが まだ 若ものなら
もえでる 草も木も みどり
わきでる 水たちも 清く
愛にあふれた いのちを
いつまでも ゆっくりと
生みつづけておくれ


地球よ 人間のふるさと
二つとない だいじな ふるさと
地球よ 青い地球よ


誰でも優しくなれそうだね。オススメです。(・∀・)