この本はスゴイ!稀有の書だ!(@_@) 最近よく耳にする統合失調症、精神障害というのがどういうものなのか。幻覚、幻聴というのはどういうものなのか、それをリアルに綴った本なのだ。
「早稲田大学を出てアニメーション制作会社へ入ったごく普通の青年がいた。駆け出しながら人気アニメ作品の演出にも携わるようになったが、24歳のある日を境に、仕事場では突飛な大言壮語をし、新聞記事を勝手に自分宛のメッセージと感じ、また盗聴されている、毒を盛られるといった妄想を抱き始め……。四半世紀に亘る病の経過を患者本人が綴る稀有な闘病記にして、一つの青春記」
前書きに書かれている、アニメーション監督・望月智充さんのこの文章に集約されている。
・小林和彦という市井の人間が,二十代で統合失調症を発症して、その発端から現在に至るまで本人が克明に書き綴った記録、それが本書だ。彼が発症時に見たという幻覚や妄想が具体的にリアルに書かれていたところに惹き込まれて読み進んだ。
・統合失調症などのいわゆる「重篤な精神疾患」を患った人が、自分の病状を正確に書き綴った例はほとんどないのだという。幻覚、幻聴などに悩まされていながら、一方でそれを冷静に記憶し描写していた。希少な記録だ。
「精神障害者を疎んじている人、自ら精神障害で苦しんでいる人には、特に是非とも読んでいただきたい」と小林は述べている。私も願っている。そしてもちろん、そうでない人たちにも。
これは想像力じゃ書けないだろうなあ…。まさに、「事実は小説よりも奇なり」だね。オススメです。(・∀・)