「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「キャリアポルノは人生の無駄だ」(谷本真由美)


衝撃絵的なタイトルだねえ…・(・ω<)自己啓発書を「キャリアポルノ」と呼び、4千以上リツイートされたブログ記事の書籍化。そのエッセンスを紹介しよう。


「1ヶ月で1億円稼ぐ方法」「3分間で自分を変える方法」「絶対に成功するマネージャーになる方法」「自分を魅力的に見せる法則」「相手を思うように操るテクニック」「3日で身につけるハーバード式思考術」「5日間でマスターするMBAのような自己啓発書」と呼ばれる「短絡的」な解決方法を書いた本が仰々しく宣伝されています。しかし、ヨーロッパの書店にはこんな本は並んでいません。


なぜ日本だけ自己啓発書がこんなにもてはやされているのでしょうか?そもそも自己啓発書とは何なのでしょうか?はやる理由は何なのでしょうか?人前で開くことがはばかれるような題名の本が、いったいいつから書店の店頭や電車や新聞の広告を埋め尽くすようになってしまったのでしょうか?そしていったいどんな人々が、いったい何の目的で、こういう本を買っているのでしょうか?


・まず目立つ特徴のひとつは、自己啓発書の多くが、私から見ると、人文書や文芸書に比べてデザイン的にあり得ないレベルで下品なことです。とにかく目立つフォント、目立つ色で購入者の目を引くようなデザインになっています。例えるならば、スーパーで売っているお得サイズの漂白剤や洗剤に似ています。「強力どっかん速攻でトイレの黄ばみを撃退」「にっくきゴキブリを一網打尽!」と書いてある洗剤と変わらないのです。


・さらに表紙には「絶対」「人生」「成功」「勝者」「金持ち」「力」など、私的にはッシラフだったら絶対に口に出せないような赤面系キーワードがちりばめられています。表紙の時点で完璧にうまくいくことが確約されているようなものです。


自己啓発書はそもそも字を読むのが嫌いで努力も嫌いな人向けなので、ムズカシイ字や言葉は使っていません。そもそも「一分間」で大金持ちになりたい人が読む本なので、辞書で調べないと意味がわからないような言い回しや言葉は使っていないのです。


いずれにしろ、こんな恥ずかしい本は、家族や宅配便のお兄さんや来客にみられてしまったら、私なら自殺したい衝動に駆られますから、お色気本のようにベッドの下や、本棚の下に隠しておくことが定番です。


・私が自己啓発書を「キャリアポルノ」と定義した理由は、基本的に自己啓発書がフードポルノと同じだというところに理由があります。フードポルノは、食べ物を食べたり健康になることが目的ではなく、食べ物を見ることでストレスを解消したりすることの代償行為です。代わりに見て楽しむだけなのです。そして、それを見たからといって、自分の生活が豊かになるわけでも、おいしいものが食べられるわけでもありません。



その他、自己啓発書の分類」「キャリアポルノはドラッグの代わり」「実は成功していないキャリアポルノの著者」など。


やっぱり…「信じるな、疑うな、確かめろ!」だよね。オススメです。(・ω<)