「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「漢字のかんじ」(杉本深由起)

この詩集は、漢字の起源やなりたちをモチーフに綴ったもの。

以前、【涙】という詩の 「涙ながすときには  ひっそりと戸をしめて  でもながした涙のぶんだけ 戸のなかで 大きな人になって 戻っておいで」

には、なるほど!と感動したものだ。その中の代表的な作品を紹介しよう。



【器】

いつもは
だまっているけれど
器は
ほんとは
うたがすき


あめのひ
おもてへ つれだせば
みんな ようきに
うたいだす


こっぷに どんぶり
ぽろろん ろん
おさらに ちゃわんも 
ぴったん たん


うたっているよ
口 口
口 口
大きなこえで たのしそう


【雲】


雨は おしゃべり
でも ことばで
うまく 云えないとき 


ひつじになったり
おしろのかたちになったり
うれしそうに キラキラひかったり
あさひや ゆうひに
ばらいろに そまったり
するんだろうな


雲って
雨の
ほんとに 云いたいことかもしれない


【暖】


おふろ 
ストーブ
まどのあかり
あったかさにも いろいろあるけど


暖という字は
見ているだけで
なんだか ほっこり
あったかい


それはね
字の中に
お日さまと
友だちがいるからだよ


いっしょだと
日だまりにいるみたいな
友だちでいたいな
わたしも
だれかの


【命】


まださむい はるのはじめ
あめが じめんを やさしくたたく
きのめ くさのめ むしたちも
さあ そろそろ でておいでって
叩いているんだよ


あ いま うごいたわ
もうすぐうまれるあかちゃんが
おかあさんのおなかを ける
はやく あいたいなって
叩いているんだよ


うまれるよって ことりのひなが
まってたよって おやどりが
たまごのからから つつくk
コツコツ コツコツ
叩いているんだよ


ああ
命って
叩いて 叩いて 叩いて
やっと一つ うまれてくる


なるほど!いいねえ。一つ叩いて生まれてくるのかあ。漢字って奥深いなあ。オススメです。(・∀・)