すさまじい本に出会いました!(・∀・)!!!今年のベスト3は間違いない!
「終わりなき内戦が続き、無数の武装勢力や海賊が跋扈する「崩壊国家」ソマリア。その中に、独自に武装解除し十数年も平和に暮らしている独立国があるという。果たしてそんな国が存在しえるのか? 事実を確かめるため、著者は誰も試みたことのない方法で世界一危険なエリアに飛び込んだ──。世界をゆるがす、衝撃のルポルタージュ、ここに登場!」
地上に実在する「ラピュタ」へ!そのエッセンスを紹介しよう。
・宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」と似たような国がある。ソマリランド共和国。場所は、アフリカ東北部のソマリア共和国内。国内は無数の武力勢力に埋め尽くされ、戦国時代の様相を呈しているらしい。一部では荒廃した近未来を舞台にした漫画になぞらえ「リアル北斗の拳」とも呼ばれる。
・そんな崩壊国家の一角に、そこだけ十数年も平和を維持している独立国があるという。それがソマリランドだ。国際社会では全く国として認められていない。不思議な国だ。建前上国家として認められているのに、国内の一部(もしくは大半)がぐちゃぐちゃというなら、イラクやアフガニスタンなど他にもたくさんあるが、その逆というのは聞いたことがない。まさに謎の国。未知の国家。地上の「ラピュタ」だ。
・うーん、わからない。一体ソマリランドとは何か。ファンタジックなラピュタか。それともウサギの皮をかぶったライオンか。結局、自分の目で見てみないとわからないという、いつもの凡庸な結論に達したのである。
・ソマリランドは国際社会の協力はほぼゼロで独自の内戦集結と和平を実現した。まさに奇跡である。ノーベル平和賞ものだ。何百人、何千人という単位で殺し合いをしていて、どうやって話し合いで解決したのだろうか。もしそんなことが可能なら世界中の内戦も同じように解決できるはずだが、ソマリランド以外では聞いたことがない。実際、南部ソマリアではいくら話し合っても何一つ解決しない。具体的に何が違うのか。 〜中略〜
・抗争は激化したが、最終的にはハバル・ユニスとドゥルバハンテのスルタン(氏族の長)同士が手打ち(ヘサーブ)をした。へサーブとは「精算」という意味である。ヘサーブにおいて重要なのは、誰が先にやったとか何が原因だとかでなく、人が何人殺されたとかラクダが何頭盗まれたのかという「数」だという。例えば、人が一人殺された場合、殺した側はラクダ百頭を被害者の遺族に差し出して償う。ソマリ人の伝統的な掟「ヘール」に従い、まさに「精算」していく。大変興味深い。だが、同じソマリ人なのに、どうしてソマリランドは手打ちができ、南部は手打ちができなかったのか? 〜中略〜
分厚い本だが、一気に読める!超オススメです。(・∀・)