「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

HUMAN〜追悼 酒井雄哉 大阿闍梨の最後の言葉(週刊朝日)


追悼 酒井雄哉さん 2度の千日回峰行
担当編集者が聞いた 比叡山延暦寺 大阿闍梨の「最後の言葉」(週刊朝日2013.10.11 )


7年がかりで約4万キロを歩く比叡山延暦寺の荒行千日回峰行を2度満行し、「生き仏」と称された僧侶が9月23日、87歳で亡くなった。天台宗大阿闍梨酒井雄哉さん。平易な言葉で人生の意味や生きる姿勢を説き、多くの人に親しまれた。酒井さんの著書「一日一生」(朝日新書)の担当編集者が聞いた最後の言葉とは。



・思考力がなくなってきたんだよなあ。痛みもなんもないんだよ。人間の体はうまくできてんねえ。(いま、どんなことが頭に浮かぶかと聞いてみると)それがねえ、なんにも、思い出せないねえ……欲がなんにもなくなっちゃったの。なんにもないんだな。人間ってなにか持っているつもりでいて、なにももっていないんだな…。ただ、感謝だな…。


・寺ですることだけが修行ではないよ。誰にとっても、生きていることが修行なんだな。


・行はわしの人生の「最後の砦」や。歩くことは昔から嫌いではなかった。無始無終、死ぬまで行をやるだけですわ。


・無心に歩いていると、ポクリと何かを思いつく。それが仏の力かもしれない。


・無理せず、ひがまず、慌てず。水の流れのごとく生きる。溜まりに入っても、あわてることないよ。よどみも徐々に解かれていくから。


・自分だけの力で生きてるんじゃない、ということだよね。なんぼえばったって、何億の金残しても、死ぬときは死ぬ。仏さんのはからいに任せるしかないんだよね。


毎日、毎日が一生と同じ。毎日生まれ変わると考えれば楽になる。それでらせん状に高くなっていくんだ。


・青く茂って時期が来たら葉が落ちる。来年になったら青く茂ってくる。それを見て、「ああ生命っていうのは一回でおしまいじゃない、つながっているんだな」って気づいていく。こういうのが仏様からいただく「仏智」なんだな。


・今日失敗したからって、へなへなすることない。落ち込むこともない、明日はまた新しい人生が生まれてくることを一生懸命、忠実にやることが一番いいんじゃないかな。


太平洋戦争時には、特攻隊。仲間たちが次々と命を落とすなかで終戦を迎える。戦後は、大学図書館員、株屋、ラーメン屋など職を転々っとした。結婚して家庭を持ったが、わずか二ヶ月で妻が自殺する無常を味わった。導かれるように比叡山に向かい、1965年39歳の時、得度。数々の厳しい修行を得て、死と隣り合わせの荒行、千日回峰行に挑む。80年10月、54歳で満行。すぐに二度目の回峰行に挑み、87年に満行、60歳だった。2度の満行を果たしたのは、記録の残る約400年間でも3人しかいない。壮絶な人生を生きた大阿闍梨の言葉は文句なしに響く。


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BOOK〜ただ自然に…比叡山・千日回峯行・酒井雄哉画賛集
http://d.hatena.ne.jp/lp6ac4/20070405