高校生の時の社会の選択科目が世界史だった気がする。単純に日本よりも世界の方がいいだろう、っていうくらいの理由だったんだけど。今になって、学校を離れてから歴史が好きになったような気がする。
さて、後藤武士センセイのこの『読むだけ』シリーズは、全4巻でお届けする世界史。センセイは言う。「世界史は人類共通の財産です。世界中みんなの先祖の偉業であり、悲劇であり、反省です。いわば互いを理解するための前提みたいなもの。やっぱり触れておきたいですよね」
第一巻目は古代編。「人類の発祥から古代オリエント」「ギリシアの世界」「ローマ帝国」「インダス文明とインド王朝」「中国古代文明」「秦の始皇帝から漢、南北朝まで」その中でもギリシアの都市国家(ポリス)項目の「スパルタ」の項目が面白かった。その一部を紹介しよう。
・「スパルタ教育」の語源となった古代ギリシアのポリス、スパルタはまさにこれを地で行なっていた。スパルタってポリスではごくわずかなドーリア人系のスパルタ人が、その10倍ほどの非ドーリア系人種を支配していたんだ。特に農業に従事させた奴隷をヘイロータイと呼び、商工業に従事する周辺民をペリオイコイと呼んで、彼等を力で支配することでスパルタは保たれていたんだ。ところで勘の良い人は気がついちゃったんじゃないかな。「そんなん、自分たちのほうが圧倒的に数が多いんだからヘイロータイは反乱を起こせばいいのに」って。そう、実際にヘイロータイはしばしば反乱を起こした。それを力でねじ伏せたのがスパルタ人であり、そのためにまさに彼らは鍛えられている必要があったわけだ。
・だからスパルタでは、男女問わず幼少期から徹底的な軍事訓練が施された。ある意味、究極の男女共同参画社会と言えなくもない。スパルタ教育っていうのは、だから、本来は進学のための勉強じゃなくて、体育教育に当てはまる言葉だったってことがわかる。なにせ不満を抱く10倍以上の隷属民を力で押さえつけなければならないんだから。大雑把に考えれば従属民の10倍以上の戦闘力を要求されてたってことだものね。サイヤ人みたいだな。こうした仕組みを整えたといわれてりうのが伝説の英雄リュクルゴス。スパルタはリュクルゴスの定めた制度を忠実に守り、強固な陸軍国を築き上げた。
今で言うと、国民すべてオリンピック強化選手みたいなカンジだったのかな。改めて歴史を学びたいよね。オススメです。(・∀・)