「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「日本史のツボ」(本郷和人)

f:id:lp6ac4:20210505061755j:plain

日本史のツボ (文春新書)

日本史のツボ (文春新書)

 

年齢を重ねるたびに歴史に興味を持つようになるよね。今、歴史のテストをやったらいけっこうイイ点取れるかも!?(笑)(・∀・)

 

さてこの本は、わかりやすい!「日本の歴史を、時代ごとに細切れにするのではなく、通しで考えてみたい。ひとつのテーマを軸に、古代から近世、頑張って近代まで見通すことはできないか。そこで七つのテーマを選び、歴史の大きな流れを論じてみたいと思います。そのテーマは、天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、そして経済。この七つのテーマは互いに深く関連しあっている」そのツボとコツを紹介しよう。

 
天皇家では神道と仏教のとちらが重視されてきたか。これは間違いなく仏教です。単純な話、神官よりも僧侶の方が格段に位が高いのです。大喪の儀、すなわち天皇皇后などの葬儀も、聖武天皇から江戸末期までずっと仏式で行われていて、神式でやるのは明治以降のことだったのです。
 
鎌倉時代から明治維新に至るまで、日本の政権を握っていたのは武士と呼ばれる軍人だったことは紛れもない事実です。軍事的な安定、安全保障がどの程度確保されていたかが、その時代の政治や経済にも大きな影響を与える。これは昔も今も変わりません。まず軍事を大きく戦術、戦略、兵站(へいたん)の3つに分けることにしましょう。個々の合戦や城郭のあり方、陣形の敷き方などの当たるのが戦術ですが、これは、その時代の技術力と深く結びついています。兵器、土木建築、用兵をはじめとして、地理、気象などに至る技術のあり方が、そこから見えてきます。
 
さらに兵站ロジスティクスとなると、今度は経済と密接に関係します。「いかに兵隊さんを食わせるか」人を抱え、彼らに必要な装備を与えて、十分に食べさせて養わなければならない。その意味で常備軍というものは、大変にコストがかかる。本当の意味で、兵隊をいかに食わせて戦わせるかというテーマを論じますが、兵站の天才といえるのが秀吉でしょう。だから大量の軍勢を動員することができたわけです。逆に言うと、兵站がしっかりしていないと、たとえば何万人といった大規模の軍事行動は不可能です。そして兵站を整えるには、それを支える経済力が必要になってくる。経済を発展させるのは、多くの民を安心して働かせなくてはならない。ここで統治=民政の問題につながります。つまり軍事史を学ぶとは、その背後にある政治、外交、経済のあり方を学ぶことなのです。
 
私たちはしばしば「日本は古代よりひとつの言語を使い、ひとつの政権が支配し、ひとつの歴史を共有する、ひとつの国家だった」と思いがちです。しかし、本当にそうなのか?私は歴史を見ていく上で、このひとつの日本」はどうも疑わしいのではないか、と考えてきました。関東と畿内はかなり別々の歴史を歩いてきたのではないか。さらにいえば、東北地方はかなり時代を下るまで、別の中央政権が考える「わが国j」の範囲に入っていない可能性があります。
 
・「日本は昔から女性の地位が低かった」と批判されるときの「昔」とは、相当の部分、江戸時代を指していて、それ以外の時代には、女性はその時代なりの地位を占め、影響力を発揮していた、といえるでしょう。なぜ江戸時代になって女性の地位は低下したのか?ひとつには儒教の影響が強まったことが挙げられるでしょう。

 

これ、続編が読みたいなあ!いままでの歴史のとらえ方が変わる!オススメです。(・∀・)

 

f:id:lp6ac4:20210505061755j:plain

日本史のツボ (文春新書)

日本史のツボ (文春新書)