「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「国民のコトバ」(高橋源一郎)

日本語ってオモシロイよね。日本語について書かれている本を読むのが大好き!さて、この本は爆笑したなあ!(・∀・)全身活字中毒の作家・高橋源一郎氏によるせつなくておかしくていとおしい日本語蒐集録。そのエッセンスを紹介しよう。


・わたしははずっと日本語を使い、日本語を読み続けてきた。だいたい、わたしは、始終なにかを読んでいる。食事中は新聞を読んでいるし、トイレの中には雑誌を持ち込む。電車で移動中も、タクシーの中でも、なにか活字が印刷されたものを読んでいる。ここだけの話だけれど、十八歳の時、留置場に三週間拘留されていた時、活字を読むことを禁止されていたので、発狂しそうになったぐらいである。だから、わたしは看守にお願いして、風邪薬の空きビンをいただき、その三週間、その瓶に貼られた効能書きを読んでいた。あれは最高だったなあ。いまでも、薬の効能書きを読むのは楽しいです。この本でわたしは、日本語という、この国のことばたちの中から、わたしが出会った、とびきり面白く楽しい、それから不思議な魅力のある連中について書いた。


【「棒立ちな」ことば】


ひも状のものが剥けたりするでしょうバナナのあれも食べている祖母  廣西昌也


バナナの、あの「ひも状のもの」について文学のテーマにしようと考えた者など、皆無だったはずだ。思うに、それは誰も見たことがあるが、地味すぎて話題にならにあものの代表である。


カップ焼きそばにてお湯を切るときにへこむ流しのかなしきしらべ  松本秀


もし、これをインターネットで公開したら、その画面上は、他の読者たちからの「ある ある ある ある ある!」の連呼で埋め尽くされるだろう。


女子トイレをはみ出している行列のしっぽがかなりせつなくて見る


「東京の積雪二十センチ」といふけれど東京のどこが二十センチか

ねじをゆるめるすれすれにゆるめるとねじがほとんどねじでなくなる 小林久美子


一回のオシッコに龜一杯の水流す水洗便所オソロシ


その他、「萌えな」ことば、「官能小説な」ことば、「相田みつをな」ことば、「人工頭脳な」ことば、「VERYな」ことば、「幻聴妄想な」ことば、「罪と罰な」ことば、「漢な」ことば、「洋次郎な」ことば、「棒立ちな」、「ケセンな」ことば、「クロウドな」ことば、「ゼクシィな」ことば、「こどもな」ことば、「オトナな」ことば…など。


高橋源一郎氏の「日本語」に対する愛情を感じる!このオモシロさが、このブログでは伝えきれない!読むべし!(・∀・)