「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「活版印刷 三日月堂6 小さな折り紙」(ほしおさなえ)

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早くも今年読んだ本のナンバーワンが決まりましたっ!それがこの活版印刷 三日月堂シリーズ。 詳しくは言えないが、「いろいろな意味で」感動が深いっ!!!この10年の中でもトップ3だなあ、ワタシの中ではっ!

 

この本は残念ながら、最終巻……もっと続けて欲しい。30年くらい続けて欲しい……。川越に行ったら「三日月堂」を探しそうだ!(笑)

 

小さな活版印刷「三日月堂。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった言葉――。三日月堂が軌道に乗り始めた一方で、金子は愛を育み、柚原は人生に悩み……。そして弓子達のその後とは?三日月堂の「未来」が描かれる番外編」そのエッセンスを紹介しよう。
 
 
そうそう、人生サーフィンみたいなもんだよ。波に乗らないと。浜辺で見てるだけなら安全だけど、つまらないって。
 
活版印刷日月堂あのときの衝撃は忘れられない。壁の棚一面にぎっしり詰まった活字。古くて重厚な印刷機むかしは本を作るときも人の手で活字をひとつひとつならべ、ああいう機械で刷っていたのだと知った。
「あそこにならんだ活字を見ながら、みんな星みたいだなあ、って思ってた」
「星?活字が?」
「活字……かな。ううん。言葉かも。むかしの作家たちの心も、言葉があるから残ってる。人々に読まれ続けてきたから残ってる。星になって、人の心の空で光ってる。書き続ければ、わたしの言葉もいつか星になるかもって」
 
・「ねえ、小枝、なにがが壊れるときってさ、すごくきれいだと思わない?たとえばガラスが割れるとき。なにかがぶつかって、ガラスが粉々になる。小さな破片になって。きらきら光る。いつもの何十倍、何百倍もうつくしく輝く。これまで見えていなかった細かいことろも全部見えるのこのガラスの内側にこんな部分もあったんだ、って思う。すべての部分が見えて、まばゆく光る。そんな感じだった。家が毀れたとき。忘れてた小さな思い出が全部きらきらきれいに光って、そんなことふだんはすっかり忘れてたのに。そうやって一瞬だけ輝くと、全部地面に落ちる。だけど、そのきらめきが目に焼きついて、こんなにきれいだったんだ、って思って、手放せなくなる」
 
・「わたしだってね、お父さんのこと好きだったんだよ。だけど、もう無理になった。過去がきれいだったってわかっても、もうなくなってしまった。知ってるんだ。ほんとはそれがガラスじゃなくて氷みたいなもので、やがては溶けて、全部なくなってしまうんだって。かき集めようとしても、どうにもならないんだ、って。それでもきらきらの瞬間のうつくしさだけは頭から消えない
 
やわらかな弓子を抱いていたいよずっと星になっても闇になっても
 
ねえ弓子泣いちゃダメだよいまここにあるものみんななくならない
 
・前に弓子さんとも話したことがあるんですよ。文字は種みたいなものだって。幹も葉っぱも花も見えないけれど、種のなかには全部はいってるんです。だから文字のなかに封じこめれられている声に耳を傾けなければいけない
 
生きているものはみなあとを残す。それも影のような頼りないものだけど。

 

ああ〜〜!!!いいなあ……繰り返し読みたい。青春18きっぷで鈍行電車に揺られながら旅をしながら読みたい。超オススメです!!!(・∀・)

 

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