いや〜!この本は、なまなましいわー!電車の中では読めないわー!(・o・)
書名の、「ラブシーンの言葉」っていうから、プロポーズや愛情表現の言葉かな?と思ったら、もっとリアル!
「愛のかたちは、どんなものであれ、いとおしい。折々の書物に描かれた心とからだの瞬間を、よろこびに満ちた言葉でつづる。性のいとなみをおおらかに肯定する、現代詩作家・荒川洋治氏の好エッセイ。純文学から性愛小説まで、書物のなかのラブシーンを感性豊かにつづる。女流作家を多く取り上げている点が特色」
そのエッセンスを紹介しよう。
・ジャネット・ウィンターソン「恋する躰」
「目を閉じて、私は彼女の背骨に沿って旅を始めた。そのでこぼこの道は、私を裂け目へ、湿った谷間へ、そうして、
私を溺れさせる暗い穴へと誘ってゆく。恋人の躰に見出される地平こそ世界のすべてではないか」
・白家北井「現代風俗系用語の基礎知識」
【エッチ巻き】ホテルなどで、シャワーを浴び終わった女の子が、バスタオルのみを身体に巻いて出てきた姿のこと。
【マングリ返し】仰向けになっている女性が両足を持ち上げ、その足を顔の方に持っていって、性器を剥きだした状態のこと。勃起力の弱くなった男性は、この状態で竿と玉袋を同時に女性器内に埋め込むことができる。
【まんチラ】1 ちらりと除き見えるパンティーから、ちらりと除きみえるおまんじゅうのこと。2 ちらりと見せるパンティーから、もっこりと見せるおまんじゅうのこと。
【おねだり汁】性的興奮をした女性のハメ待ち汁のこと。
【ハメ待ち汁】挿入直前に期待がたかまっている女性器から噴出する愛液。
・柴田千秋「性語辞典」(河出書房新社)で、「性交」を表現する言葉を検索すると星の数ほどある。
あれ、メイクラブ、一儀、お勤め、ものする、はめっこなどの他に、うりうり、お茶、交通(きょうつう)、御祭礼、首投げ、叩く、中央線、取組、風呂入り、マラソン、やりくりなど。なるほどと思う。
・大正か昭和のはじめに生まれたとされる履歴不詳の歌人、湯浅真沙子「歌集 秘帳」(皓星社 )は、乙女のエロスの年代記。まずは「新婚」の章の一首から。
〈まじはりを重ねるほどに力づよく生きんとおもふ心湧くかな〉
セックスを重ねるごとに、人生の元気もりもり。女性の一面か。
〈昼にてもかまはじといふ君ゆえに頬赤らめて蒲団しくなり〉
これは「いいじゃないか」「いやですよ、こんな時間に…」なんていう情景だ。
〈風呂のなかで誘ひためへど出来ざるを二人声立て笑ひけるかも〉
たしかにお湯がからんでむずかしいが、努力するうちにすっぽりとはまり、ほんとの濡れ場が花開くかも。
・67歳の元公立中学教員、小松 奎文「いろの辞典(文芸社)」は、手作りの一品。「性語」が927ページにわたってひしめく。
【愛】1報酬がなくても尽くしたいと思い、自分の手元におきたいと思う暖かい感情。
【ノーパン】…パンティを着けずに街を歩いたり電車に乗ったりすることで、もしかしたら人に秘所を見られることがあるかもしれない、もしかしたらパンティをつけていないことがばれてしまうかもしれない。もしかしたら…、というその緊張から現代女性は性的刺激を受けるといい、その性的刺激のためにノーパンになると言う。「もしかしたら」のリピートが、ほほ笑みをさそう。この辞典いたるところに人柄あり、である。
「性」のチカラってスゴイなあ。もっとリアルな表現はこのブログでは紹介出来ません。読んでね。オススメです。(・∀・)