「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「この地球にすんでいる僕の仲間たちへ 」(東田直樹)


この本は感動した!重度の自閉症であり、作家の東田直樹氏。「この地球(ほし)にすんでいる僕の仲間たちへ―12歳の僕が知っている自閉の世界」自閉症の人は、どういう状態なのか、どう感じているのか、生々しい言葉で綴られているのだ。初めて、少しだけわかった気がする。そのエッセンスを紹介しよう。


・この本を出そうと思ったきっかけは、僕と同じような障害を持っている子供の気持ちを、少しでもみんなに分かって欲しかったからです。僕たちはいつも困っていてひとりぼっちなのです。僕たちを笑わないでください。僕たちをのけ者にしないでください。僕たちを助けてください。この本を読んで僕たちの仲間になってくれたら、僕はとてもうれしいです。この地球にすんでいる僕の仲間たちへ。たとえ今がつらくても、生きることをあきらめないでください。みんなが僕らの仲間になってくれたら、僕らだってこの世界の中で生きていけます。みんなが分かってくれるように、僕が頑張ります。



顔は、表情が変わるから覚えられません。顔が覚えられないから、今まで人のことが怖かったのかも知れません。人が怖いというのは、その人が何かわからないからだと思います。普通、物は変化しないから、自分にとって何だか良く分かるのです。だから、怖くなくなったらきっともっと僕は、人とかかわれると思います。


言葉は僕にとって、相手が誰だか分かって初めて使えるかもしれないものなのです。どこにいてもどんなときでも、僕がわかる言葉は、お母さんだけです。僕は、どうして今まで言葉が理解できないのか、わかりませんでした。他のみんなが指示されたことにすぐに反応できて、その通りに動けることが不思議でした。僕には聞こえないのです。音は聞こえているけれど、意味になって頭の中に入ってこないのです。僕はお母さんの言うことならすべてわかります。それは、第一に安心感、第二に言葉のリズムや高低が良く分かっていること、第三に話の予測がつきやすいためでしょう。


・どうして僕はみんなのように動けないのでしょうか。一つは、その事に対して自分が関わっていくと、頭の中のスイッチが切れるように、今まで働いていた思想がぷっつりと中断してしまい、何も分からなくなることです。後の一つは、自分が指示されたり参加したりする時に、何を言われても言葉が動作につながらないことです。聞いている言葉の内容が理解できている時でも、体をどう動かしたらいいのか分かりません。出来ないのではなくて分からないのです。どう分からないのか、きっと普通の人には理解できないでしょう。僕らはまるで借りてきたロボットの中にいるように、いつも自分の体の中でもがき苦しんでいるのです。それは、自分の目が欲しがっている物の時だけうまく動くことが出来て、人から言われた事に関しては急に電池が切れてしまう。そんな感じなのです。


・たとえば、言っているものを目で追うと、話が聞こえなくなります。言葉の音は聞こえていますが、何を言っているのかわかりません。目で見るものが頭の中でいっぱいになり、そのことが気になってどうしようもなくなるのです。


僕たちは、自分の伝えたいことが上手く伝えられない時などに両足で飛び跳ねて手をパチパチ叩きます。すごく悔しくて悲しい心を止められません。他の人はこういう時そんな動作をしないのに、なぜなのでしょう。それは、跳ぶと、とてもすっきりするからです。手を叩くと、すごく気持ちがいいからです。僕は、どうしてだろう。とずっと考えてきました。それは、跳んでいる時には、自分の体の部分がよくわかるからだと思います、手を叩けば、ここが手。飛び跳ねれば、ここが足。というふうに。みんなは、自分の体のことをよくわかっているかもしれませんが、僕たちにとって手や足は、自分のものだという感覚があまりありません。上に跳んでいる時は、まるで天に飛んで行けそうなくらい心も体も軽くなります。その間は、自分が人だということも、障害者だということも忘れることが出来ます。手を叩くとその音で何も聞こえなくなるし、辛いことから自分を守ることが出来るのです。


…うまく表現できないけど、もしかしたら、自閉症の人こそ、最も純粋で自然な人間なのかも知れない。そんな気付きがありました。おすすめです。(・∀・)



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