- 作者: 長岡弘樹
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/09/15
- メディア: 文庫
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正解は、「かたえぎき」と読むんだって。知ってた?(^<^) 新聞の広告に「100万部売っても売り足りない!」がキャッチコピーのウワサの本、読みました。選考委員圧倒的支持!ミステリーグランプリ2008第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞作がこの本。四本の短篇集なのだが、けっこう奥が深いのだ。
まあ、そのキャッチコピーは大げさだったとしてもぐいぐいと読ませるヒューマン小説だ。
「娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心動かされる「傍聞き」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。どれも秀作ばかり。短編なのであまり書いちゃうとネタバレになっちゃうけど表題作のエッセンスを紹介しよう。
・「傍聞き(かたえぎき)なんて言葉も初耳よね。いい?例えば、何か一つ作り話がるとするじゃない。それを相手から直接伝えられたら、本当かな、って疑っちゃうでしょ。だけど、同じ話を相手がほかの誰かに喋っていて、自分はそのやりとりをそばで漏れ聞いたっていう場合だったらどう?ころっと信じちゃったりしない?これが漏れ聞き効果なの。どうしても信じさせたい情報は、別の人に喋って、それを聞かせるのがコツ。だから、きっと父さんは天国で喜んでいるはずだよ。」
親の知らないところで子どもは成長しているんだね。親の背中を見ているんだね。はあ〜!なるほど!という感じで、心があったかくなりました。おススメですよ。(^。^)