「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

「いやらしさは美しさ」(早川義夫)

数々のミュージシャンに影響を受けてきた私だが、その中で最も好きで、音楽の価値観が一致しているのが、伝説の日本初のロックバンド、ジャックスのリーダー、早川義夫氏だ。

学生時代から音楽を作り、歌った。しかし彼らのシュールな音楽はあまりに早すぎた。わずか23歳で引退。45歳まで川崎で本屋を経営していた。その彼が約20年の沈黙を破って、再び歌い出したのが15年前。私は復帰後初のアルバム、「この世で一番キレイなもの」を聴き、泣いた、涙した。


決して歌がうまいわけじゃない、しかし伝わってくる、響いてくるのだ。どのジャンルにもしばられない、時代に左右されない、男の魂の叫びだった。


さて、早川氏の最新エッセイ集。またまた、私の胸にずどーん!と響きまくった。彼のようにはなれない。彼のようには歌えないけど、彼の音楽観は、まさに私の価値観とドンピシャ!なのだ。その珠玉の言葉を紹介しよう。



「ラブ・ゼネレーション 94」(この世で一番キレイなもの 初回プレス付録パンフレット 1994年)


・音が出る一歩手前の沈黙。音を出す一歩手前の息づかい。それが美しいかどうかですべてが決まる。音楽は音でもない、言葉でもない。沈黙なのだ。


・言葉をどこに届けるか。音をどこに届けるか。その距離がわかっていなければ、歌は歌えない。


・声が聞こえてくるだけではいけない。顔や体が見えてきてはじめて歌になる。


・音が鳴っているだけではいけない。色や形や風景が見えてきてはじめて音楽になる。


・音を記録するのではない。空気を記録するのだ。加工しなくていい。何かをいじると、必ず何かがゆがむ。


・音はその人自身であるゆえ、こういう音を出してくれって頼むすじあいのもではない。人を選んだ時点で音は決まってしまう。


・音で通じあえる人とは、言葉でも通じあえる。言葉で通じあえない人とは、結局、音とも通じあえない。


・人をバカにして優越感を味わうな。劣等感が丸見えだぜ。


・考え方や生き方を押しつけてはいけない。そんなにステキならば嫉妬させてほしい。


・第一印象が正しい。あなたの第一印象が正しい。


・作品と作者は同じである。


・共に歌うのではない。互いに歌うのだ。




伝わったかな?この本の言葉も胸を打つ!早川義夫、サイコーだっ!!!(^O^)


「ラブ・ゼネレーション」(早川義夫)