- 作者: 木村耕一
- 出版社/メーカー: 1万年堂出版
- 発売日: 2011/08/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 2回
- この商品を含むブログを見る
特に、19歳の時に事故で顔を潰してしまい、4時間にも及ぶ手術、麻酔も効かずに激痛でもがき苦しんでいた時ずっと手を握っていてくれたのが母だった。あの手の温かさは忘れられない。(T_T)
さて、この本は涙なしでは読めない…。(T_T) 歴史上のエピソードと、全国から募集した読者の体験談の2部構成で、古今東西、変わらぬ「親心」が語られている。そのエッセンスを紹介しよう。
・私は三人兄弟の真ん中に生まれました小・中学校時代、いじめにあい、大変苦しい思いをしました。ある時、いつものように遅い両親の帰りを待ちながら「このまま死んでしまいたい」と叫ぶと、側にいた祖母が、たまりかねて言ったのです。
「お母さんがどんな思いで、産んでくれたと思っていいるの?お母さんはね、おまえを身ごもった時、お医者さんから、『この子を産んだら、あなたは100%死にます、いいのですか。まだ遅くはありません』とい言われつつけていたんだよ。それでも最後まで、『死んでもいいから産みます』と言って産んでくれたんだよ」
その夜、母に尋ねました。「どうして今まで言ってくれなかったの」相変わらず母はほほえんで、「今、尚子が元気なら関係ないことだからよ。尚子もお母さんになれば分かるよ」。一体どんな思いで出産に踏み切ってくれたのか。生まれてくる私の命に人生のすべてを懸けてくれた母。そう知らされた時、胸がつまりました。(徳島県 30歳 女性)
・若い頃、大怪我をして、後遺症を背負って生きています。母が八六歳で他界する際、一時的にわずかに意識が戻った時に言ってくれました。「おまえの痛い足をもらって死ねるなら、私がもらって死んでやるのに…」と。母と交わした最後の会話です。今でも母の言葉を心からありがたく思っています。(熊本県 五九歳 女性)
・水戸黄門として有名は水戸光圀は、自分の誕生日には、最も粗末な食事をしたという。「誕生日は、この世に生まれた祝うべき日であるかもしれない。しかし、この日こそ、自分が亡き母上を最も苦しめた日なのだ。それを思うと、珍味ずくめでお祝いする気にはどうしてもなれぬ。母上を思い、母上のご苦労を思えば、自分はせめて一年中でこの日だけでも、粗末な料理で母上のご恩を感謝してみたい」古歌にも詠まれている。「諸人よ 思い知れかし 己が身の 誕生の日は 母苦難の日」
その他、母は、大ワシにさらわれた子供を三十年間捜し続けた「良弁杉の由来」、芥川龍之介「杜子春」、「断腸の思い」、「のび太の誕生日」、「岸壁の母」、「大岡越前守忠相の判決」、「断機の戒め」、「いちばんかわいいのは、病気をしている子がいたらその子、家にいないで遠くに行っている子」 …などはホント泣ける…。(T_T)良い本です。おススメです。