「てるてるソング」 小野塚テルの一日一冊一感動『感動の仕入れ!』日記

毎日の読書、映画、グルメ、流し、人との出会いなど様々なものから感動を得ています。特に本は年間300~400冊読破します。人々を『感』させ『動』に導き、『感する人』になるようにそのエッセンスを紹介しています。

BOOK〜『時に海を見よ これからの日本を生きる君に贈る』(渡辺憲司

時に海を見よ-これからの日本を生きる君に贈る

時に海を見よ-これからの日本を生きる君に贈る

この本のメッセージには感動した!(T_T) 

震災後、高校卒業式が中止となった立教新座中学高校校長渡辺憲司氏が、学校のホームページに掲げら卒業生へのメッセージなのだ。それが「感動的すぎる」「勇気をもらった」と、ツイッター等インターネットを通して大きな反響を呼び、全国に広まったのだとか。知らなかった…、( ..)φメモメモ そのエッセンスを紹介しよう。


卒業式を中止した立教新座高校三年生諸君へ


時に、孤独を直視せよ。海原の前に一人立て。自分の夢がなんであるか。海に向かって問え。青春とは。孤独を直視することなのだ。
直視の自由を得ることなのだ。大学に行くということの豊潤さを、自由の時に変えるのだ。事故が管理する時間を、ダイナミックに手中におさめよ。


流れに任せて、時間の空費にうつつを抜かすな。いかなる困難に出会おうとも、自己を直視すること以外に道はない。いかに悲しみの涙の淵に沈もうとも、それを直視することの他に我々にすべはない。
海を見つめ、大海に出よ。嵐にたけり狂っていても海に出よ。真っ正直に生きよ。くそまじめな男になれ。一途な男になれ。貧しさを恐れるな。男たちよ。

船出の時が来たのだ。思い出に沈殿するな。未来に向かえ。別れのカウントダウンが始まった。忘れようとしても忘れえぬであろう大震災の時のこの卒業の時を忘れるな。
鎮魂の黒き喪章を胸に、いまは真っ白の帆を上げる時なのだ。愛される存在から愛する存在に変われ。愛に受け身はない。

歴史上かつてない惨状が今も日本列島の多くの地域に存在する。あまりに痛ましい状況である。祝意を避けるべきではないかという意見もあろう。だが私は、今ことのときだからこそ、諸君を未来に送り出したいとも思う。

惨状を目の当たりにして。私は思う。自然とは何か。自然との共存とは何か。文明の進化とは何か。原子力発電所の事故には、科学の進歩とは何かと痛烈に思う。私がいかなる行動をしたか。悔恨の思いも浮かぶ。

世界の各国から多くの救援が来ている。地球人とはなにか。地球上に共に生きるということは何か。そのことを考える。

泥の海から、救い出された赤子を抱き、立ち尽くす母の姿があった。行方不明の母を呼び、泣き叫ぶ少女の姿がテレビい映る。家族のために生きようとしたと語る父の姿もテレビにあった。今この時こそ親子の絆とは何か。命とは何かを直視して問うべきなのだ。

今ここで高校を卒業できることの重みを深く共に考えよう。そして、被災地にあって、命そのものに対峙して、生きることに懸命の力を振り絞る友人たちのために、声を上げよう。共に共にいまここに私たちがいることを。被災された多くの方々に心からの哀悼の意を表するとともに、この悲しみを胸に我々は新たなる旅立ちを誓っていきたい。巣立ちゆく立教の若き健児よ。日本復興の先兵となれ。



本書の印税は東日本大震災被災地への義援金として全額寄付するとのこと。全文を読みたい方はこちらへ。

卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ(校長メッセージ)

http://niiza.rikkyo.ac.jp/news/2011/03/8549/