語感トレーニング――日本語のセンスをみがく55題 (岩波新書)
- 作者: 中村明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/04/21
- メディア: 新書
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「過日」「先日」「この間」、どう使い分ける?など、日本語の繊細さや柔軟性が伝わってくる名著だね。クイズ形式になっているので、楽しめるよ。そのエッセンスを紹介しよう。
Q 「快調」「好調」「順調」、もっとも調子がいいのはどれでしょうか?
A 「快調」。「好調」の幅のうちでもとくに上のほうをさす雰囲気がある。「好調」の最高の段階をさす「絶好調」もあるが、
どこか長続きしない感じがつきまとう。「順調」はもっとも幅が広く、「快調」や「絶好調」の段階も含めて使うことができる。
Q 「中途」と「途中」の違いは?
A 「中途」という語は道を意味する「途」が中核。「途中」という語では間を意味する「中」が中核をなすそのため、前者は地点という空間性がより強く意識され、後者は行為の最中という時間性がより強く意識される。現代では「途中」のほうが一般的。
Q 「方法」「手段」「やり方」「やり口」の違いは?
A 「やり口」jという語は好ましくないイメージがある。「あのやり口が気に入らない」という言い方が自然で、「好感の持てる」とか「良心的な」とかいった形容のあとには使いにくい。「手口」となると、もっと明確に、よくない行為をさす。
Q 「あっさり」と「さっぱり」の違いは?
A 「あっさりとした料理」と言うと白身の魚や鮑の刺身などがぴったりするが、「さっぱりした料理」となるとサラダや酢の物や梅干などが連想される。「あっさりとした化粧」と言えば口紅や白粉を厚く塗りたくっていない軽い化粧を連想するが、「さっぱりした化粧」のほうは口紅や白粉の濃淡というよりも髪型や衣装を含めた清潔感が前面に立つ。「あっさりした性格」は熱中するほど物事に深くのめり込まない、ものに対するこだわりの少ない人を連想しやすく、「さっぱりした性格」は物事に熱中してもそれが長持ちせず、いつまでもくよくよ悩んだり根にもったりしないタイプの人を思わせる。このような感じの違いも単純に一つの角度からは説明しにくい。
やっぱり日本語ってすごいよね〜!(^^♪
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